和漢のいろは Wakan no iroha
【東邦大学名誉教授 薬学博士 薬剤師】
小池一男先生の花通信【54】クレマチスアーマンディー
皆様こんにちは、小池です。暖かい春に慣れてきました。時折降る冷たい雨には体が縮みます。さて、花通信をお届けします。今日の花はクレマチスアーマンディーです。
◆クレマチスアーマンディー満開
新入生ガイダンスの時期ですね。広い校内で迷子の一年生を見るのは新鮮でした。自宅近くの施設の垣根に、中国南部原産のクレマチスアーマンディー(Clematis armandii、キンポウゲ科)の花が満開でした。以前から花の蕾を気にしていたのですが、認知機能が衰えたのですっかり忘れていました。
◆クレマチスは威霊仙
クレマチスというと生薬学教室の先生から、威霊仙!と出てきます。もともと威霊仙の原植物はテッセンなどのクレマチス系。日本薬局方では威霊仙の原植物はClematis mandshurica,サキシマボタンヅルClematis chinensisです。又はClematis hexapetalaの根及び根茎とあります。ボタンズルの写真をみると、なるほど花序の形態はよく似ていますね。
◆威霊仙は漢方薬
よく間違えるのは、花の白い花弁は実は萼で、花弁のない花です。威霊仙は漢方薬の疎経活血湯の構成生薬です。クレマチスアーマンディーは甘い香りがするつる性の綺麗な花ですね。
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