和漢のいろは Wakan no iroha
【東邦大学名誉教授 薬学博士 薬剤師】
小池一男先生の花通信【14】ホタルブクロ
こんにちは。小池です。不定期で花通信をお届けしています。今日はホタルブクロです。
自宅から徒歩3分のところに神社があります。自宅からも神社の杜が見えます。その参道の入口にホタルブクロ(蛍袋、Campanula punctata、リンドウ科)が咲いていました。静寂の中でひっそりと咲いているので、誰かが植えたものではないと思います。
◆「ホタルブクロ」名前の由来
ホタルブクロには赤紫色の花と白花があります。写真の白花は以前に撮ったものです。名前について。花の中に蛍を閉じ込めると,その明かりが外へ透けて見える。そんなところからホタルブクロとなったという説。それと、提灯(ちょうちん)の古名を火垂(ほたる)といいます。その提灯に似ているので、ほたるが,蛍になったという説がありました。
◆ホタルプクロの学名について
学名の種小名puncutataは「斑点のある」という意味です。実物の方がわかりやすいのですが。白い花の写真を見ると花弁に小さな斑点があるのがわかりますね。属名のCampanula、Campanaは鐘の意味。それに小さいという意味を持つ語尾変化-ulaによって、小さな鐘となります。ヨーロッパの教会にある小さな釣鐘のような形の花をさしています。
野坂昭如著「火垂るの墓』。スタジオジブリのアニメの方がよく知られていますね。由来は「火垂る」かもしれませんね。
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