和漢のいろは Wakan no iroha
【東邦大学名誉教授 薬学博士 薬剤師】
小池一男先生の花通信【9】ジャスミン
こんにちは。小池です。不定期で花通信をお届けしています。今日はジャスミンです。
◆ジャスミンの香り
このごろ街を歩いていると、ふとよい香りがすることがありませんか。その香りはいくつかに分かれるようですが、その一つをご紹介します。条件つきなのですが、よい香りはハゴロモジャスミン(羽衣ジャスミン、Jasminum polynthum、モクセイ科)です。Jasminum はソケイ(素馨)属(ジャスミン属)、polyanthumは多くの花を持つという意味です。
◆意外!なかには不快な香りも?
条件付きというのは、写真のようにハゴロモジャスミンがたくさんの花をつけたときは、ちょっと香りがきつくなります。ひとによって感じ方は違うのでしょうが、ハゴロモジャスミンの香りは爽やかとか、スッキリとかではなく、鬱陶しく、くどく濃厚で、不快に感じるかもしれませんね。写真はある家のフェンスに植えられて繁茂していたものですが、ご近所のかたは悩ましい季節かもしれませんね。
◆愛されるジャスミンティーの香り
ジャスミンティーに使われるジャスミン(茉莉花、Jasminum sambac)のような優美で爽やかな香りだったら、街の風景も違ったものになったと思います。私のキャンパスではハゴロモジャスミン、ジャスミンとともに植栽されています。種類によって開花時期が少し異なります。面白いことに大学の薬学部約1500名の学生さんのうちで、茉という文字が名前に入ったひとが15名います。なんと学生さんの1%がジャスミンさんでした、愛されていますね。
ジャスミンティーは眠りを誘う薬、です。
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