和漢のいろは Wakan no iroha
【東邦大学名誉教授 薬学博士 薬剤師】
小池一男先生の花通信【1】
こんにちは。小池です。これから不定期で花通信をお届けします。
◆白い花、ムラサキ
今回ご紹介する花はムラサキ科のムラサキ(紫)です。
天然染料、生薬として知らないひとはいないと思いますが、その花を見た人はほとんどいないと思います。まず、天然では見かけることはできないほど貴重な植物です。千葉近郊なら花の時期は6月から7月ごろですが、写真は北海道で9月中旬に撮ったムラサキです。やはり北海道は涼しいのですね。名前の艶やかさとは裏腹に、可憐な純白の小さな花です。
でも、すぐに手に入る「紫」もあります。好きなひとも多いのではないでしょうか? ふりかけの「紫(ゆかり)」です。名前の由来は諸説あるようですが、染色家の吉岡幸雄さん(故人)のホームページに記載された説明が一番素敵かな。
(部分引用)
「武蔵野の心なるべし」は古今集の
「むらさきの 一本ゆえに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る」(よみびとしらず)
に基づくものだろう、という後人のことばです。
この歌は、美しい紫草が一本ある。それだけのことで武蔵野の草がすべていとおしく思われる。という意味です。
東京都の武蔵野は古くから、紫草の生える地として知られていました。そこからこのような歌が生まれ、紫のゆかり、紫の色は、ふれれば色が移っていくくらい美しい色である。それと同じように人と人との出会いが、縁を結ぶという象徴になったのです。」
紫の想い出
私が学生のころ、髪を紫色に染めた先生がいらっしゃいました。講義も着物で、おしゃれな先生でした。本学の前身の帝国女子医専の卒業生、医師でもあり、薬剤師免許申請の時には、皆お世話になったものです。若い頃の記憶は鮮明に覚えているものですが、私ならビッグA(スーパーマーケット)のアイスかな、井村屋のアイスを食べるときに私を思い出してもらえると嬉しいですね。ちなみにアズキはマメ科で3出複葉です。(豆知識です)
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