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和漢のいろは Wakan no iroha

アキョウが美容にいいって本当?

皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。
ハリウッド女優も愛用してるらしいけど、美容にいいの?少し前からアキョウ(阿膠)という漢方が気になっているという方に向けて、アキョウ(阿膠)についてご説明します。

アキョウ(阿膠)とは?

アキョウはロバ由来の漢方素材です。ロバ!とビックリされる方もいらっしゃるかと思います。漢方の国では2500年も前から珍重され、宮廷の妃たちがこぞって活用しています。かの楊貴妃も愛用していたとか。高貴な方々にしか手に入らない、貴重で高価な素材でした。アキョウによって、若々しさを維持した妃たち。その美しさで王たちを虜にしたのです。アキョウが美容に良いというのは本当です。

息子の恋人と間違えられる

しばらく前のテレビ番組でも、アキョウによって大変身した美魔女が登場して、大変話題になりました。プライベートでいろいろとあって年齢よりかなり老け込んでしまった女性。アキョウによって息子の恋人と間違えられるくらいに若く、美しく変わり、生き生きと登場したシーンでは、思わず息をのんだ人が多かったと記憶しています。

国産のロクキョウ

続けるほどに効果が実感できるアキョウ。ふっくらとしたバラ色の肌を手に入れた人、若いころの豊かな髪を取り戻した人など、伝説が山積みです。そんなアキョウを求める人が増えるにつれ、偽物が多く出回りました。中には粗悪品もあり、購入を希望する際は、気をつけなければいけません。
偽物があるの?心配、という方には、国産のロクキョウ(鹿膠)がおすすめです。アキョウと同様の作用を持つ漢方で、北海道のエゾシカからつくられています。ロバではなく、シカが原料です。こちらも中国では大変貴重な素材で、古来、重用されてきました。
最近、ようやく日本でも手に入るようになり、国産という安心感から、今後需要が高まっていくと思われます。

美容にいいアキョウ&ロクキョウ

例えば、いつのまにか出来てしまう憎きシミ。何とか予防や改善をしたいと思いませんか?シミの主な原因は紫外線と色素沈着にあります。皮膚を構成する表皮の一番下にメラノサイトという細胞があます。紫外線や炎症が起こることで活性化し、メラニンという褐色の色素を作り出します。このメラニンがシミの元です。
皮膚が4週間程で新陳代謝を繰り返し、新しい皮膚が形成される流れをターンオーバーと言います。加齢やストレス、ホルモンバランスの乱れなどにより、ターンオーバーが低下。すると、いつまでもメラニンが残ったままになり、シミが薄くなりにくくなります。西洋医学、漢方医学において、このターンオーバー能力を保つポイントは?それは新陳代謝を高めること。すなわち血のめぐりを良くし、血液による肌細胞への栄養供給力を高めることです。そこでアキョウです。

「補血養顔」の働き

アキョウやロクキョウは古来より、血を補い美容を養うといわれる「補血養顔」の働きがあります。十分な血や栄養分が肌の細胞に行き渡ることによって、ターンオーバーが促進。色素沈着した古い角質がはがれ落ち、老廃物が上手く排出されて、新しい肌細胞が生まれます。この働きにより肌がみずみずしくなり、透明感が増すと考えられます。

お声のご紹介

実際にアキョウを飲んで、シミが薄くなったという声が、私のところに数多く寄せられています。健康のためにアキョウを約2年間飲み続けたという例。「眉間にあった、濃い褐色で目立つ頑固なシミの代表格である「老人性色素斑」が消えました」!というお知らせをいただいた方は、あまりの変化に友人も驚かれたとのことでした。シミは突然できるのではなく、少しずつ蓄積されます。日々のお手入れをしっかりすることで予防することが可能です。

美容のために女性にもっと活用してほしいアキョウ

日本では生薬を扱っている先生以外の一般の方は、アキョウについてあまりご存知ないかもしれませんね。中国ではアキョウが非常に有名です。特に女性の場合、知らない人はいない程ポピュラーな素材です。アキョウは「身体にとてもいい」「綺麗になる」というイメージを、みんなが持っています。
今でこそ、一般の人にも手に入るようになったアキョウ。昔は大変貴重な品でした。献上品として、中国の歴代皇室と関わって来たことが分かっています。
紀元前500年頃(日本の縄文時代)のこと。長沙国の宰相のお墓から発見された中国最古の漢方著作『五十二病方』に、婦人病の治療にアキョウを用いるとの記載があります。この文献から2500年前からアキョウと皇室との関わりが伺えます。
その後、漢の高祖、劉邦(りゅうほう)の孫や、三国の曹操の息子。そして唐から明、清の時代に亘って、アキョウはずっと皇室に献上されて来たことを示す歴史証拠が残っています。

韓国ドラマでのアキョウ

少し前に人気があった韓国ドラマ「チャングムの誓い」。国王の側室ヨンセンの早産の際、アキョウを処方していました。アキョウは血液の流れの調節や、お腹(下腹部)を温めるため、婦人科系に良いとされています。もちろん世界三大美人の楊貴妃や西太后も、アキョウを愛用していました。

世界三大美女の一人、楊貴妃の美容の秘密

紀元約700年頃、唐の6代目の皇帝の妃の楊貴妃が、アキョウをこっそり飲んでいたという記録が残っています。
『全唐詩・宮詞補遺(第5巻)』にこう記載してあります。
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楊貴妃は化粧を全て洗い落とした後でも、依然豊か。(その時代はふくよかなことが良いとされていた)潤いが保たれ、雨が蓮の葉に落ちても留まることができないようなツルツルした肌である。密かに毎日アキョウを飲んでいるが、そのことは誰にも教えず、「私の美貌は、生まれつき君(皇帝)のためにある」と話していたという。
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この詩からもお分かりになると思いますが、アキョウを飲めば肌が非常に綺麗になります。また、肌ではなく切迫流産の処方として用いたのが西太后でした。西太后は習慣性流産に悩んでいたのですが、アキョウを服用することにより病気が回復。後に無事出産することができました。
美容にいいのはもちろん、婦人科系に作用することは、女性にとってとてもうれしいことです。特に生理不順の方にお勧めです。

一気に老けてみえる白髪を無くしたい

ここでは、美容に関わる「ホルモン」に注目してみます。ホルモンバランスがくずれると、美容面に影響が出てきます。艶やかな黒髪を保ちたい方は、ご注意を。自分では気づきにくいホルモンバランスの乱れやエストロゲン不足。これがいつのまにか髪に影響を及ぼし、白髪を増やす原因のひとつとなってしまいます。あなたの白髪も実はホルモン不足が影響しているかも。かかわりの深い交感神経と副交感神経の仕組みについてもご紹介します。
ホルモンといわれても、すぐにはピンと来ないかもしれませんね。実はその姿は、大変神秘的なものなのです。ホルモンとは、体内の内分泌器官でつくられ、血液によって体中に運ばれます。そして一定の場所に指令を出して重要な働きをするものです。血との関係も密接です。ホルモンの働きで体温、血糖値などが正常に保たれることをホメオスタシス(恒常性)といいます。この働きによって、人は快適に過ごし、健康な状態でいられます。

成長ホルモンとの深い関係

育ち盛りのお子様をお持ちの方は、成長ホルモンという名前に馴染みがある方が多いかもしれません。成長ホルモンは、成長期に背を伸ばすイメージが強いですね。そのほかにもアンチエイジング、疲労回復、脂肪分解、毛根発育などさまざまな働きがあり、細胞のダメージを修復する大切な役割を担っています。不足すると傷が治りにくかったり、肥満の要因になったりするほか、髪へのダメージも避けられません。
成長ホルモンは、入眠後3時間位の副交感神経が優位になる時間、全身がリラックスしている間に分泌します。この時間帯に良好な睡眠を取ることによって、細胞は修復され、アンチエイジングにつながります。具体的には午後9時頃から徐々に副交感神経が増え始め、午前0時にピークを迎えます。午後10時から深夜2時までの4時間、いかにしっかりと睡眠をとれるかがポイントとなります。
この成長ホルモンが不足することでおこる老化現象のひとつとして、白髪や薄毛があげられます。他にも、肌のしみやしわ、ほうれい線やたるみなど、できれば避けたいことばかりですね。特に注意したいポイントが、睡眠の長さではなく質が重要であるという点です。夜中に何度も起きるようでは質の良い睡眠はとれず、成長ホルモンの分泌を妨げてしまいます。規則正しい睡眠の習慣を持つことが、美髪をつくる第一歩といえます。

自律神経の乱れは成長ホルモンの敵、美容の敵

自律神経とは、人が生きていくための機能を無意識で調節している神経です。手足は自分の意思で動かせますが、心臓は自らの力では動かせませんね。内臓の機能も自律神経で調節されています。

交感神経と副交感神経

この自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられます。交感神経は、活発に動く時、激しい運動をする時などに働き、副交感神経はリラックスして体を休める時に働きます。このふたつの自律神経がバランスよく働くことが大切です。交感神経が過剰になると、体はいつも緊張し、成長ホルモンが分泌されにくくなります。

リラックスが大切

そのまま眠りについても、睡眠中に緊張状態が続いて成長ホルモンが分泌されないため細胞の修復がうまく行われません。白髪どころか、うつ病や自律神経失調症を引き起こしてしまうかもしれません。特にストレスによる自律神経の乱れは、成長ホルモンに深く影響するため注意が必要です。日頃からうまくストレスを解消できるリラックス法を見つけておきましょう。

女性ホルモンが美髪を育てる

エストロゲンとよばれる女性ホルモンには、美肌や美髪に欠かせない働きが多くあります。エストロゲンによって髪の毛は太く艶やかになり、ツヤやハリを促進させます。また、血管拡張作用により、毛先まで栄養が届きやすく白髪になりにくくなる効果が期待されます。加齢やダイエットなどでエストロゲンが不足すると、髪からはツヤがなくなり、細く抜けやすくなっていきます。

エストロゲンの活性化

女性らしい美しさを保つためには欠かせないエストロゲン。活性化させるには、まず良質なタンパク質、大豆、ビタミンEを積極的に摂ることが大切です。大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た働きをするのでお勧めです。辛い更年期にも、ホルモンのバランスを整えてくれる効果があり、ほてりやのぼせなどの症状緩和にも役立ってくれます。普段から納豆や豆腐、豆乳などを食卓にとり入れる習慣をつければ、白髪予防につながっていきます。合わせて、老化を抑えるビタミンEを摂取するといいでしょう。緑茶やアーモンドなどは食生活に取り入れやすくお勧めです。

ホルモンを知ってほしい

私たちの体の中にある成長ホルモンや女性ホルモンなど普段はあまり意識することがないかもしれません。でも実は美肌、美髪に深く関係していることを知っていただければとご紹介してみました。残念ながら加齢による老化で減ってしまうホルモン。そのメカニズムを知り、毎日の食生活や睡眠を見直すことで減少の速度を緩やかにして少しでも維持できれば、将来の美と健康につながっていくのです。

アキョウ、ロクキョウで血虚を食い止める

さて、私の他の記事を読んでいただいた方はすでにおわかりだと思いますが、美容対策として、「血虚」の予防は欠かせません。血虚で髪はパサついて抜け毛や白髪が増え、爪が割れやすくなり、肌・目・鼻・膣が乾燥し、体の内側も外見も“カラカラ状態”に陥ってしまい、東洋医学の状態としては「枯れている」と見られます。これでは、年齢よりもずっと老けてみえてしまいます。
皮膚や髪や内臓など体の全てへ栄養を届けるのが血なので、働きの良い血が足りないと、栄養供給が追い付かない部位の細胞が元気を失い、老化します。このように、血虚は若々しさや健康面に深刻な影響をもたらすのです。そこで、補血作用のある漢方についてここでも再度ご紹介しておきます。

補血作用のある漢方素材

阿膠(アキョウ)
ロバの皮を煮込んで抽出される素材です。赤血球、白血球などの血液成分を増やす造血作用や、血液の循環機能を高める働きがあります。血液機能を高める代表的な漢方素材として知られています。美容のためにも欠かせない素材です。

鹿膠(ロクキョウ)

鹿の皮、骨、角を煮込んで抽出される素材です。鹿皮膠(ロヒキョウ)、鹿骨膠(ロッコツキョウ)、鹿角膠(ロッカクキョウ)の種類があり、それぞれが持つ効能に特徴があります。髪には鹿皮膠が適していて、造血作用により血液の機能を高める注目の漢方素材です。最近では、北海道のエゾシカを原料とした国産の鹿膠(ろくきょう)が開発され、今後ますます需要が高まるものと思われます。
ロクキョウについてくわしくはこちら

アキョウ、ロクキョウで美容対策

アキョウやロクキョウの主な効能は、肝の血を補い、腎の気を固めることです。肝の血を補うことにより、肝はダムのように血や栄養分を貯め、勢いよく放出することで身体の隅々まで血液を行き渡らせます。栄養分と老廃物を運び、先端にある髪にも恩恵をもたらすため、白髪が抑えられるのです。また、白髪は死んだ髪ではないので、植物に水を与えると元気になるように、黒く復活することも期待できます。さらに、アキョウは精を増し腎の気を固めることにより、植物が肥沃な大地に深く根を張り巡らすように、髪がなかなか抜けずに、多くの栄養素を吸収でき、丈夫になります。

アキョウやロクキョウで血と腎に健康をもたらすことで、根本から身体を改善していくので、いつまでも黒々とした髪で、艶やかな肌でいられるのも夢じゃないのです。 年齢を感じさせない美容をアキョウで目指してみてはいかがでしょうか。
アキョウ・ロクキョウ解説はこちら


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