和漢のいろは Wakan no iroha
【東邦大学名誉教授 薬学博士 薬剤師】
小池一男先生の花通信【81】センキュウ
皆様こんにちは、小池です。もうすぐ11月だというのに、台風まで来ていますね。さて、花通信をお届けします。今日の花はセンキュウです。
◆センキュウの増やし方
今日の花はセリ科のセンキュウ(川芎)です。薬草園で今咲いています。おなじみの複散系花序(セリ科の特徴的な花の付き方)で、多数の白い小花を咲かせます。しかし、花は咲けども結実せず未熟に終わるので、センキュウは種で増やせません。収穫時に繁殖用として分けた先端に芽のついた子イモ状の種根を株分けして増します。
◆センキュウの効能
センキュウの根には精油が含まれ、漢方では重要な生薬で補血、強壮、鎮静、鎮痛薬として婦人薬、冷え症薬、皮膚疾患、消炎排薬とみなされる処方に幅広く配合されています。当帰芍薬散のように、処方にはトウキ(当帰)とともに配合されることが多いのです。覚えておいてくださいね。そしてセンキュウといったら頭痛に使われる処方にも配合されています。女神散や川芎茶調散など。Thank you!
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