和漢のいろは Wakan no iroha
【東邦大学名誉教授 薬学博士 薬剤師】
小池一男先生の花通信【80】ツクバトリカブト
皆様こんにちは、小池です。秋が深まってきますね。花通信をお届けします。今日の花はツクバトリカブトです。
◆ツクバトリカブトのパワー
ツクバトリカブト(筑波鳥兜、キンポウゲ科)です。先週の土曜日の午後、大学で撮ったものです。草本なので晩秋には地上部位は枯れて無くなりますが、驚きましたね。葉や茎はほとんど枯れたようにみえますが、花は毒々しいほど美しい姿を残したままです。この力強さこそが極度に衰退した新陳代謝を賦活するはたらきなのかもしれません。植物エネルギーを感じました。紫色から惹起される心理的感情の性質は、神秘、高貴、優雅、神秘、不安、葛藤のようです。
◆ツクバトリカブトの効能
全草が猛毒な植物で、特に根の毒性が強く、古くは毒矢の材料として利用されました。一方で薬用としても使われます。トリカブトの猛毒成分は、アコニチン系アルカロイドという物質です。煎じることで分解されて毒性が弱くなります。痛みを止めたり、新陳代謝を高めたりする化学物質に変化します。新陳代謝を活発にし、体を温め、痛みを止める生薬です。素人が使用してはいけませんね。
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