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和漢のいろは Wakan no iroha

春ならではのお悩みについて

こんにちは、漢方&薬膳アドバイザーの杏仁美友です。
年明けムードやバーゲンセールも一段落といった感じですが、これから気が抜けないのが花粉症の方々ではないでしょうか。

花粉との戦い

毎年花粉の飛散数に左右されるのは辛いですし、花粉症なんて関係ないわ、といっているアナタも、油断は禁物です。脅すわけではないのですが、どんな人にも発症する可能性があり、たとえ花粉予想は低くても、環境や生活習慣、食生活の影響などで、いつ発症するかはわからないのが、花粉症の怖さでもあるのです。

◆花粉症のメカニズム

そんな現代病の代表でもある花粉症ですが、先に触れたように、中医学ではスギなどの花粉といった外からの影響だけでなく、わたしたちの体の内側、つまり免疫力や防御機能の低下がとても深く関わり合っています。つまり、睡眠不足がたたったり、運動不足で体力が衰えていたり、ストレスを抱え込んでいると、正気が不足し、これと花粉という邪気と戦った結果、正気のほうが弱まれば花粉症を引き起こすといったメカニズムです。

◆薬膳という選択

薬膳では、そうなった原因や体質、いま出ている症状などから、オススメの食材を選びます。
たとえば、もともと冷え性で、悪寒があり、水っぽい鼻水がでたり、
くしゃみばかりしているようなタイプには、
体を温めたり、発汗作用のあるものをチョイスします。
シソ、ネギ、生姜、玉ねぎ、らっきょう、フェンネル、陳皮などが代表的です。
鼻水でも、黄色くて濃い、ネバネバとしたものが出たり、
鼻づまりがひどかったり、発熱やのどの痛み、目のかゆみなど、
熱感症状が強いようなら、同じように発汗作用はあっても、
体にこもった熱を冷ますような食材を選びます。
ミント、菊花、ゴボウ、葛、蒲公英(タンポポの全草)、金銀花などがいいでしょう。

◆食生活がポイント

なお、冷たいものの食べ過ぎや、食生活の乱れによって起こるケースもあります。
症状としては、くしゃみ、鼻水、倦怠感のほかに、疲れると悪化、食欲不振、食後の眠気、
下痢などをともなったりします。もともと胃腸が弱いタイプもなりやすく、
この場合は胃腸や肺の機能を補うことが第一です。
長いも、はと麦、シイタケ、ニンジン、ナツメ、カボチャ、栗などは
消化機能を高める働きがあるので、意識的に摂取しましょう。
このほかにもいくつかタイプはありますが、根本治療をしたいなら、
体の抵抗力をつけるために、まずは胃腸の働きを高め(元気は胃腸から!)、
水分代謝をよくし、体内をめぐっている気血水のバランスを整えることが重要です。
喘息には「冬病夏治」という治療法があります。冬に悪化しやすい病気は、
夏の段階から予防や治療をしなさいという意味ですが、花粉症も同じようなことがいえます。
症状が出る前からケアをすれば酷くならずにすみますし、
発症しても症状が軽かったり、予防にもつながるのです。


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