和漢のいろは Wakan no iroha
こむら返りは春になりやすい?!
こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。
春は草木も芽生え、桜の開花とともに気分まで盛り上がってくる……のは日本人特有なのでしょうか。桜の咲く時期は短いけれど、その僅かな時間を楽しむことができるわたしたちって、我ながら豊かな感性だな。そしてそんな文化や美意識が根付いている国に生まれて幸せだな、と感じます。
◆春におこりやすい不調
あら。いつもよりセンチメンタルな出だしで自分もびっくりですが、これはもしかしたら春の仕業かもしれませんね。なぜって、春は中医学では自律神経を司るとされる「肝」の働きが不調になりやすいのです。具体的な症状としては、精神的に憂うつになったり、逆に怒りっぽくなったり。また、口が苦く感じたり、目の充血、のぼせ、めまい、頭痛、食欲減退などがあげられます。よく春になると情緒不安な人が増えるとかいいますが、五月病もそのひとつ。これも「肝」の働きを整えることで改善したりします。
◆肝のトラブルで足がつる
急に来るこむら返り、痛いですよね。さて、この肝のトラブル。精神的な症状もそうですが、実は筋のこわばりやこむら返りなどにも関連があるのです。春になるとなんだか足がつりやすい、筋肉がけいれんするといった経験ありませんか?実はこういった筋の痛みやこわばりなども肝の働きと深くかかわりがあるとされるのです。こむら返りの原因は冷えや血行不良などもありますが、中医学でいう「陰血不足」が主な原因といわれています。
◆うるおすことが大切
陰血とは、カラダを構成する3つの基本物質「気・血・水」のなかでは血と水を指し、血液やカラダをうるおす栄養に富んだ物質です。カンタンにいうと、カラダをうるおす血液や水分といったところでしょうか。その陰血が少ないために、筋や血管、リンパ管などに栄養がいかず、ひきつりやけいれん、痛みなどを生じます。
◆おススメな食材
わたしは妊娠中に足がよくつりましたが、これも陰血不足で起こったのでしょう。妊娠中は必要な栄養成分はまず胎児に向かいますので、母親であるわたしの末端部分は当然後回し(苦笑)。
現代栄養学的には、この陰血は血液プラスミネラル、ビタミン成分に近いかなあと思います。薬膳的にオススメな食材だとクコの実、レバー、卵、カニ、ほうれん草、黒ゴマ、黒きくらげ、スッポン、アサリなどがあります。なお、フルーツもいいでしょう。「酸 甘 化 陰」といって、フルーツなどの甘酸っぱいものは陰を補うとされるからです。
◆イチゴを活用!
ちょうど春はイチゴがおいしい時期を迎えますが、イチゴはまさに陰をおぎない、肝の働きをサポートし、消化を助けてくれる果実です。春にイチゴ狩り。これも素敵な日本の風物詩ですね。
ちなみに、夜は陰の時間とされます。せっかく陰血をチャージするものを食べても、過労や睡眠不足だと消耗するばかり。カラダをゆっくり休め、疲れをためないことも大切です。
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