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和漢のいろは Wakan no iroha

【東邦大学名誉教授 薬学博士 薬剤師】

小池一男先生の花通信【93】オウレン

皆様、こんにちは。小池です。日中は暖かい天気のようです。今日の花はオウレンです。

◆オウレンで春を感じる

学生さんが試験勉強で苦しんでいる頃に咲く可憐な花、オウレン(黄連、Coptis japonica、キンポウゲ科)。春を告げる仲間ですね。花をよく見ると、何となく毒々しいつやがあります。でも、白くガラスのように輝いて見える花弁は、実は萼片です。このように書くと味気ないですね。美しいものは美しいと思います。

◆オウレンは上品

本当の花びらは、萼片より短くて細いさじの形になったものです。根茎を堀って細い根を除き、乾燥させると生薬の「黄連」となります。数少ない日本特産の薬用植物ですね。中国最古の薬物書、神農本草経では「王連」として上品に収載されています。上品とは生命を養う薬。長く食べられるものとされます。

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