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和漢のいろは Wakan no iroha

【東邦大学名誉教授 薬学博士 薬剤師】

小池一男先生の花通信【78】ツユクサ

皆様こんにちは、小池です。やっと、涼しくなりましたね。花通信をお届けします。今日の花はツユクサです。

◆ツユクサの登場

以前放送していました朝ドラ「らんまん」が最終回を迎えた時の話です。生薬学教室の久内先生の蔵書を牧野記念館にすべて寄贈したので、終盤のある場面で登場したようです。久内先生が正装で植物採集をされていた意味が、朝ドラを通して分かりました。そして外国語の原著が、これまたたくさんあったことも同様です。ご自宅には数万冊の蔵書がありました。図書館ですね。

◆ツユクサの儚さ

さて、最終回に登場した花のひとつがツユクサ(露草、Commelina communis、ツユクサ科)です。とても深く美しい青い花ですが、早朝に開花して午後には萎(しぼ)んでしまう短命な花です。このような一日で終わる花を「一日花(いちにちばな)」と呼びます。ツユクサの英語名は、そのまま〝dayflower〟です。なんとなく儚さを感じますね。
「月草に衣は摺(す)らむ 朝露に濡れての後(のち)は移ろひぬとも」万葉集。皆様は中秋の名月を見たでしょうか。

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