和漢のいろは Wakan no iroha
相撲と陰陽五行の関係
相撲と陰陽五行の関係
こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。今回は相撲と陰陽五行についてのお話です。
陰陽五行が国技館に?
少し前、横綱の鶴竜さんが現役を引退するというニュースを聞いたときのこと。休場や成績が悪くても、番付が下がらない立場っていうのも大変だわ、と知った風な感想を持ちました。相撲はテレビでしか見たことがないです。でも、確か国技館の吊り天井の房って、五行に則っていたような…。ということで、今回は相撲と陰陽五行について深堀りしてみましょう。
陰陽五行と中医学
陰陽五行は、陰陽説と五行説という2つの学説をあわせたものです。これらは、薬膳のルーツである中医学の基礎理論でもあります。陰陽学説を簡単に説明しますね。
陰陽五行について
自然界にある2つの現象や物事を総括しています。男と女、朝と夜、上と下など、互いに相互関係があります。陰陽はどちらが勝っているということではなく、バランスを保って中庸であることが良しとされます。
陰陽五行と軍配
相撲で陰陽を表しているのが、行司が持つ軍配です。月(陰)と太陽(陽)が描かれています。土俵の形も陰陽で成り立っています。外側は四角形で、地を表し陰を意味します。内側は円形で、天を示し陽を意味しています。
相撲の起源
ちなみに、その年の農作物の収穫を祈念する儀式が相撲の起源といわれています。基本、陽の気を持つ男性が土俵づくりをします。陰の気を持つ女性が入ると、うまく地の神を鎮めることができないという理由で女人禁制なのかもしれません。
塩まきと四股
土俵の四隅にある房は、青、赤、白、黒です。これらは四季と四神(四方の守り神)を意味しています。青は春で青龍、赤は夏で朱雀、白は秋で白虎、黒は冬で玄武です。これらは五行学説といって、万物を5つのエレメントに分類。これらの関係性を生かして風水や鍼灸、漢方などに応用するものです。
陰陽五行と土用
ここであれ?と気がついた方は飲み込みが早い。五行なのに四つしかないですから。四季が移り変わる際には、必ず土用を通ります。つまり、春夏秋冬と土用をあわせて五季になります。なお、土用は方位だと中央を意味します。四神に囲まれ一段高いところから俯瞰している守り神が麒麟(黄龍)です。
お相撲さんの塩まきや四股を踏むのも、土俵の邪気を追い払うためだとか。陰陽五行でひも解く相撲の世界、まだまだ深く、探求中!
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