和漢のいろは Wakan no iroha
春にデトックスがいいわけ
春にデトックスがいいわけ
こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。今日は桜の咲くこの季節にちなんだお話です。
デトックスは健康への道
薬膳には大きなルールが2つあります。そのひとつに「自然の流れに逆らわない」というのがあるのです。専門用語では「整体観念」といいます。人と自然、ココロとカラダ。五臓と六腑など、万物すべてのものはひとつに繋がっている。そして、自然界とバランスを保つことが大切。それが、健康につながると説いているのです。
デトックスの春
さて本題にいきましょう。中国の有名な医学書『黄帝内径』に「春は発陳」と表現しています。陳というは中国で「古い」を意味します。古いものを発するのがこの季節だというのです。春は万物が動き出す時期。ですので、冬の間溜め込みモードだったカラダも、春には老廃物と一緒に外へ出そう。そしてスッキリ&シャッキリさせるのが正解ということです。
デトックスと苦みの関係
日本でも昔から春に苦味のあるものを食べる習慣がありますよね。この時期、スーパーにはたけのこ、ふきのとう、タラの芽、菜の花などの旬の野菜が並びます。これらの食材は、高い抗酸化作用で生活習慣病の予防に役立ちます。それから、豊富な食物繊維で有害物質を排出するので便秘解消にもオススメです。思えば、この「ほろ苦さ」を味わうことでカラダがしゃきっと目覚める感じがしませんか。これも春の訪れを体感させようとした、先人の知恵なのかもしれません。
余計なものを外へ
また、春になると決まって肌荒れを起こしたり、吹き出物が出るって方。これも一つのデトックス作用といえるでしょう。なので、肌の変化にあたふたせず、ここはしっかりと体内に溜まっているものを排出させてください。余計なものを外へ出すことで、新陳代謝も活発になります。そして、フレッシュなエネルギーである「気」も取り込むことができます。どちらにしても、春は陽気の高まりとともに新陳代謝も高まります。ですので、旬の野菜を食べて毒素や老廃物を出すのは、まさに現代社会にもマッチしている食養生です。
デトックスが健やかの鍵
朝は早く起きて気分をのびのびとさせる。軽い運動やストレッチをして、自分のカラダを春の陽気に順応させる。そんなことも大切だと覚えておきましょう。春は適度なスポーツなどをして「発散」させることです。それにより、五臓の働きもよくなり、心身も健やかでいられるのです。余計なものを出さない限り、新しいものは入ってきません。まずは要らないものを外へ出すことから始めましょう。そう、この春から!
古いものの価値
ちなみにみかんの皮を干したものを「陳皮」といいます。これが、古ければ古いほど薬効があるとされます。中国の食材店では、吊るされた黒いみかんの皮に高値が付いていたりします。
わたしたち人間も年を重ねれば重ねるほど、プライスレスな存在でありたいと願うばかりです。
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