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和漢のいろは Wakan no iroha

三因制宜ってなに?

こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。三因とは、「季節」、「地域」、「人」の三つ、つまり、時、場所、人を意味しています。この三つをあわせて三因制宜といいます。宜というのは、料理のレシピなどに使われる「適宜」の宜です。

三因制宜と名古屋について

名古屋に講義に行くようになって、感じたことがいくつかあります。まずは夏の空気の違いです。新幹線で名古屋駅に降り立った途端、なんともいえないまとわりつく湿気。確実に10gは増えています。つぎに県民性。打ち解けるまでほんのょっと時間がかかるけど、いったん心を許したらとてもオープンで正直。合理的かつ、良いと思ったものにはお金をかける。名古屋の皆さん合っていますか?しかも薬膳にも違いがでるのが興味深く、今回のテーマにしてみました。

元気をつけるのか、水分を出すのか

東京と名古屋で、秋の薬膳を立てる講義がありました。基本的な部分に差はないのですが、プラスする食材に違いが出たのです。東京は「元気を補う」食材を多く使います。夏から秋へ移るとき、疲れを生じることがありますよね。その原因の多くはエネルギーの消耗だということ。これにたいして名古屋は「余分な水分を出す」食材を使っている人が多い。つまり水分代謝が悪いので、秋のはじめもカラダが重だるかったり、むくみや食欲不振などが起こるのです。

元気を補う食材と水分代謝

ちなみに元気を補う食材には、穀物類、イモ類、豆類、ナツメ、シイタケ、牛肉、豚肉などがあります。水分代謝をよくするものには、ハトムギ、トウモロコシ、黒豆、冬瓜、ショウガ、香菜、スズキ、鯛などが代表的です。

三因制宜、季節・地域・場所によって食材を変える

中医学では、「三因制宜」という治療法があります。三因というのは季節、地域、人の3つです。季節性では、冷えや血流障害が多くなる冬には、より温めたり血行を促進するものを取り入れるとよい、となります。地域性の例では、蒸し暑い沖縄は、ゴーヤチャンプルなどを食べ、熱を冷ましたり湿気をとります。気温が低い北海道は、ジンギスカンなどを食べてカラダを温めるのが理にかなっています。

三因制宜(さんいんせいぎ)で薬膳を

最後は年齢、性別、体質など(因人)を考慮すること。子どもはすぐ熱を出したり急に冷えたりするので、作用の高いものを多く使用しすぎない。ほかにも、男女の差や持病のあるなし、職業病なども加味することが含まれます。名古屋と東京でふと感じた薬膳の違いですが、世界各国で考えても面白そうです。


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