和漢のいろは Wakan no iroha
美容と健康に嬉しいナツメ
美容と健康に嬉しいナツメ
皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。今日は健康効果が高く美容にもよいナツメについてのお話です。
ナツメって?
生薬大棗(タイソウ)とは果物のナツメのこと。樹高5~10メートル程の落葉広葉樹です。日本への渡来は奈良時代以前とされます。夏に入って芽が出ることで、夏芽という和名がつけられました。種類は紅棗と黒棗があり、紅棗には形状、大きさによって様々な種類があります。
ナツメの種類
新疆の駿棗や和田大棗は大きくて肉厚で有名です。薬用には普通サイズのナツメや小棗がメインです。ちなみに睡眠の漢方によく配合される酸棗仁は、タイソウと同じクロウメモドキ科酸棗(サネブトナツメ)の種子です。
ナツメが持つ健康効果
主な薬効は「脾を補い胃を和ませる、気を益し津液を生じる、営衛を調える、薬毒を解く」。つまりは緊張の緩和、強壮、鎮静、利尿、滋養、補血などですね。筋肉の急な緊張による疼痛をやわらげ、神経過敏を静めます。そして咳、腹痛などの痛みを緩和します。
ナツメの活用
脾と胃に作用し、消化を高めて造血作用を向上させるので、筋肉(肌)の衰えに良いです。津液を生じることで、ドライマウスにも効果があります。営衛を調えるので、免疫にも良いでしょう。特に臓躁(=更年期障害)に効き、更年期の不眠症状に多用されます。
活用事例
弊社の休息サプリ「ねむリラ」、ヘアケアサプリ「黒ツヤソフト」にも配合しています。一般用漢方製剤294処方のうち、タイソウは約3割の漢方、90処方に配合されるほど大変重要な生薬です。例えば葛根湯や六君子湯、甘麦大棗湯など。
奥深いナツメの魅力
タイソウは重要な生薬でありながら、薬食同源で美味しい食材でもあります。中国ではナツメとアキョウで加工したアキョウナツメが健康菓子として女性に大人気!また、朝鮮の名物薬膳料理のサムゲタン(参鶏湯)にも使われています。手軽に作れるナツメの料理を紹介します。
1.ナツメと生姜のお粥
ナツメと生姜は相性がよいことで知られています。医聖張仲景の『傷寒論』『金匱要略』にあるタイソウ使用の58処方のうち、47処方は生姜と併用しています。
2.ナツメ落花生スープ
ナツメ、落花生、氷砂糖を同量用意します。先に落花生を茹で、その後ナツメと氷砂糖を入れて美味しいスープに。年末やお正月の薬膳におすすめです。ナツメも落花生も、縁起のよい食材。活用してよいお年をお迎えください。
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