和漢のいろは Wakan no iroha
野菜の皮にむくみ防止効果!?
野菜の皮にむくみ防止効果!?
こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。暑いこの時期、ついつい冷たいものに手が出て内臓が冷えすぎたり足がむくむなんてことないですか?ということで、今回は「むくみ」をテーマにお話しましょう。
むくみの原因
むくみは腎臓病などの病気が原因の場合もあります。でも、生活習慣や食生活などで引き起こされるケースも少なくありません。前の日に飲みすぎて朝起きたら顔がむくんでいた。日中ずっと立ちっぱなしで足がパンパン。などのように、むくみの出る場所や症状によって中医学では対処法が異なります。
むくみに関わる臓器
関連する臓器はおもに「肺」と「脾」(消化器系の総称)と「腎」の3つです。体内をめぐる水の異常で起こります。「肺」は全身に水分を散布して、腎や膀胱に送り出す働きがあるのです。風邪などをひいて肺の機能が衰えるとまぶたがむくんだり、尿の出が悪くなったりします。
むくみと脾
「脾」は食べたものを消化吸収し、水分代謝をコントロール。体内に余分な水分が停滞するのを防ぐ働きがあります。刺身やビール、冷奴などの冷たいものを食べ過ぎた時。脾の機能が弱まると、皮膚がむくんだり、腸間につまると下痢になります。
むくみと腎
そして「腎」は「水をつかさどる」といわれています。五臓のなかでもっとも水分代謝に関連の深い臓器です。体内の体液は脾や肺によって全身へ運ばれます。最終的に膀胱へ降りて体外へ排出されるのです。一度肺にめぐった水分の一部は腎に入ってろ過されます。有効なものは再び肺に戻ってから全身の各臓腑へ運ばれます。
中医学での対処法
むくみの治療法は、現代医学のように利尿剤を使えばOKというものではありません。中医学ではむくみの原因や場所によって発汗させたり、排便させる。胃腸の機能を整えて水はけをよくし、腎を温めて機能を高めるのです。なお、毎日できるケアとして、食事療法も有効的です。ここで水分代謝をよくするオススメの食材を4つご紹介しましょう。
しょうがの皮
しょうがには、内臓を温め、発汗させて寒さを散らす作用があります。利尿作用が高いのは中身より皮のほう。水分代謝が悪い人は、皮をたわしやスプーンなどでこすってから皮ごと調理するのがベストです。
冬瓜の皮
冬瓜にはカラダを冷やし、熱を下げる作用があります。尿の出をよくする働きは皮の方があります。冬瓜の皮はそんなに硬くないです。千切りにしてきんぴらにするなど、加熱調理も美味しいです。
すいかの皮
中国でもすいかは夏バテ防止にかかせない食材の一つです。口の渇きをいやし、体内にこもった熱を冷まします。水はけを良くしてむくみ対策に優れるのはやはり皮の方。緑の皮は硬いけれど、黄緑色の部分は漬物やジュースなどに利用できます。
とうもろこしの毛(南蛮毛:なんばんげ)
利尿作用が高く、むくみや膀胱炎に用いられる生薬です。腎機能を改善し水分代謝を高めるので、黄疸にも用いられます。ひげ根は天日に干してから煎じたり、炒めてリゾットやスープに入れると香ばしいです。
とうもろこしの毛以外はすべて野菜の皮の部分ですね。捨ててしまいがちな部分ですが、薬効が高いので、ぜひ有効活用してみてください。
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