和漢のいろは Wakan no iroha
薬膳の組み合わせのあれこれ
薬膳の組み合わせのあれこれ
こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。今日は薬膳ならではの組み合わせについてお話します。
お祭りの醍醐味
この時期、実家の品川ではカッパ祭りという有名な夏祭りがあります。今回も家族で実家に泊まって今年はじめてのすいかやご馳走をいただき、お祭りに顔を出して知り合いとあいさつを交わしました。その後実家に戻ってみんなで昼寝するという、至福の休暇を満喫してきました。
すいか、食べてますか?
このときに食べるすいかっていつも最高に美味しい。きっとみんなでテーブルを囲みながらすいかを切り、「今年も蒸し暑いね」なんてワイワイいいながら食べる雰囲気丸ごとが、美味しいエッセンスになっているのでしょうね。
さてそんな魅惑のすいか。薬膳ではカラダのこもった熱を冷まし、水分代謝を高めます。口の渇きを癒す働きもあるので、やはり夏にぴったりの果物です。ただしカラダを冷やす作用の高い寒性であるため、冷え症や下痢気味のタイプは分量に気をつけて。カラダを温めるものと一緒に食べるのがオススメです。
薬膳の考え方
このように薬膳では「すいかはお腹を冷やすから絶対に食べてはダメ!」とはなりません。他の食材と組み合わせるとよいなど、食べ合わせを工夫します。そうすることによって副作用をなくしたり、食材の個性がうまく引き出される組み合わせというものがあります。これらは薬膳のベースになっている漢方薬の考え方からくるものです。ここで薬膳でよく用いられる3つの配伍※例をご紹介しましょう。
◆薬膳。ある食材でほかの食材の悪い作用を軽減させる
バナナにシナモン
バナナは南国のフルーツで、カラダを冷やす働きがありますが、温性のシナモンを合わせることにより、バナナの寒性が和らぎます。このほか、わかめにしょうが、刺身にしそなども同様に、おもな食材の寒性を緩和する組み合わせです。
◆薬膳。主となる食材を他方がサポートして作用を高める
梨とはちみつ
梨は咳を鎮めたり、のどの炎症を抑える作用があります。抗菌・止痛作用のあるはちみつを加えることによって、のどの痛みに効く効果がアップします。このほか、しょうがと黒砂糖の組み合わせは、しょうがの持つ風邪予防や発汗作用を黒砂糖が高めてくれるものです。「しょうが黒糖茶」は、ぞくぞくと寒気のする風邪の初期にまさにぴったりの飲み物になります。
◆薬膳。同じような薬効を持つ者同士で作用をアップさせる
ミントと緑茶
どちらも熱を冷まし、頭をスッキリさせる効果があります。花粉症などで目が赤くてかゆいなんてときの症状も緩和してくれます。白キクラゲと豚肉は、どちらもカラダを潤す作用があります。美肌にも有効なので、一緒にスープにすると余すことなく薬効も取り込めます。
薬膳ではタブーの組み合わせも
以上はわたしの著書に限らず、どの薬膳レシピでも応用しているものです。そして、なかにはタブーな組合せというものあります。たとえばカニと柿。どちらもカラダを冷やし、一緒に食べると体調不良や下痢の原因になります。牛乳と刺身も禁忌。これは説明しなくてもチョイスしない組み合わせでしょうかね。
※同じ効能のあるものを使うことで、お互いの効果を高めること
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