和漢のいろは Wakan no iroha
亀板と亀板膠の効能とは〈2〉
亀板と亀板膠の効能とは〈2〉
皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。前回の亀板と亀板膠の効能とは<1>に続き、今日は亀板膠に関するお話です。
わずかな量しか得られない亀板膠
亀板膠は、亀板を煮詰めてできた膠です。紀元307年頃に道教の医師が初めて作ったとされています。亀板の薬用の歴史が2000年以上なのに対し、亀板膠の使用歴は400年程。膠の製造が難しく、約10kgの亀板から1kgの亀板膠しか得られないことが起因しています。
亀板よりも亀板膠
亀板膠の効能効果は、亀板と似ています。1769年に発行された薬学本【本草求真※】に『亀板膠は、亀板を煮て作るので、気味は陰を益す。ゆえに【本草綱目※】に「亀板は亀板膠に及ばない」との説が載る。<中略>亀板を用いるよりも亀板膠を用いるほうが良い』と記載され、1624年に発行された【本草正※】に、「亀板膠の効能は亀板と同じであるが、性味はより濃厚であり、もっとも純陰であり、孤陽を退けることができる」と記されています。
亀の甲羅の模様も福を呼ぶ?
また、甲羅の紋様の六角形は吉兆を表す図形ともされています。いまでも縁起物として、様々な場面に取り入れられ珍重されています。万年とはいきませんが、亀には健康長寿、即ちアンチエイジングの作用が確かにあります。生薬としては亀板と亀板膠があります。
亀板膠は亀板よりも優れている
このことは明白です。特に1624年に、名医である張景岳氏が
医学本【景岳全書※】を出版し、彼の臨床経験により作られた著名な処方「左帰丸」が収録されました。滋養強壮、アンチエイジングの名薬「左帰丸」は、亀板ではなく亀板膠が配合されたことにより、後世に大きな影響を与えました。亀板膠を配合することが主流になり現在に至ります。
亀板膠は正しく選ぼう
国内で流通している一部のサプリメントの原材料名を確認すると、「亀板末」「亀腹甲末」等が書かれています。即ち、亀板の粉末であって、亀板膠ではありません。前回述べた通り、亀板は妊婦が服用してはなりません。亀板末が配合された「妊活サプリ」は、妊活中の方に害となってしまうリスクがあります。名前が似ているから同じとは限らないので、正しい知見が必要なのです。
亀板膠の薬効を最大限に発揮するには
亀板膠は、性が陰寒であって、よく陽気を消すので、陽を養う生薬との配合使用が望ましいです。その代表例は鹿角膠です。亀板膠と鹿角膠のセットで有名な処方である「亀鹿二仙湯」。約500年前に明王朝の宮廷御医が皇帝のために考案したとされており、その100年後、庶民にも知られるようになりました。
<亀板膠の効能については次回へ続く>
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