menu close

和漢のいろは Wakan no iroha

ハスは薬効の宝庫♪

こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。この時期に旬を迎える食材はたくさんあります。ですが煮物、サラダ、炒め物、すりおろしても使えるもの。そうなると、数が限られてきますよね。はい、今回はそんな使い勝手の良い蓮根。そして蓮根以外のハスの部位のお話です。

肺をうるおし、貧血に良いレンコン

まず、蓮根という名前ではありますが、根っこではなく、実は茎が肥大化したもの。穴が開いているところから、見通しが良いといわれます。ですのでお正月の縁起物にも欠かせません。薬膳で蓮根は、カラダを涼しくさせる寒涼性の食材です。心や肺、消化器系に関連が深いとされています。

ハスの効能

カラダに必要な水分を補い、肺をうるおします。のどが乾燥してイガイガしたり、空咳が出たりするときに適しています。血を補い血行を促進するので、貧血防止に役立ちます。加熱すると胃腸の働きを良くし、下痢を止める作用も加わります。
ハスの実

ハスの実は精神安定や下痢止め、芯は不眠対策

次に、ハスの実の部分です。ハスの実は、花が咲いた後の花托の中にできます。未熟なものは緑色ですが、硬くなると黒っぽくなり、実を落とします。わたしは薬膳を始めるまではハスの実を食べたことがありませんでした。日本ではハスの実の甘納豆があります。中国では月餅の餡にしたり、甘いお粥にすることもあります。

レンコンは生薬でもある

生薬名は蓮子といいます。消化機能を促進したり、精神安定によいです。滋養強壮にもオススメです。なお、ハスの実の真ん中には緑色の芯が入っています。ここにも薬効があります。心の熱を冷まし、イライラして眠れない時に良いものです。しかし、これが苦い!お湯にいれて飲むのが一般的で、横浜中華街などで蓮心という名前で売られています。

ハスの節は止血薬で、葉はむくみ防止

蓮根と蓮根をつなぐ節の部分も生薬です。藕節という止血薬になります。鼻血、尿血、便血などのほか、不正出血にも用いることができます。でも、薬効は穏やかなので補佐として使うことが多いようです。そしておこわやちまきを包むのに使うハスの葉。荷葉といって、熱を冷まし、利尿作用があるので、むくみに良いものです。このように薬効が多いハスは、捨てるところがないエコで多才な植物なんです。


こちらもよく見られています

食べるだけが薬膳じゃない 君臣佐使のルールとは? 食べ物の色選びで白髪改善!今すぐできる体質別チェック