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和漢のいろは Wakan no iroha

2024.11.20

年代別でケアする五臓を考える

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年代別でケアする五臓を考える

こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。あと2か月もしないうちに今年も終わるなんて、一年はあっという間ですね。年を重ねるごとに一年が早く感じるのは、子どもの頃と比べて目新しい体験が少ないからだとか。お屠蘇を飲んで初詣に出かけたのが先月のことのよう(それは言い過ぎか)。さて、今回のテーマは子どもと大人など、年代別の特徴と関連する五臓についてです。自分や周りの方のステージと照らし合わせてみてくださいね。

年代別ケア「児童(12歳頃まで)」

子どもは成長が激しく、発達が早い分、からだを温める陽が活発です。そのため、からだを潤す陰が不足しがち。これを中医学では「純陽」といい、子どもは陽が強い体質であるといえます。正気もありますが、邪気も受けやすいです。ですのですぐ高熱を出したり、流行病にかかったりします。邪気を体内に入れないようするバリア機能は皮膚にあります。これを管轄しているのは「肺」です。肺を強化し、必要な水分を補ったり、消化吸収機能である「脾」の働きを整えましょう。

年代別ケア「青少年期~中年期(13歳から59歳頃まで)」

成長発育が著しく、身体的に強壮になる幼児から成人に移り変わる時期。生理的・心理的な変化が最も大きく、精神が不安定になります。そのため、自律神経に関わる「肝」の影響を受けやすいです。肝は気の流れをスムーズにする働きがあります。ストレスを発散させたり、香りのよいものを嗅いだり食べたりしてみましょう。

身体機能のピーク

28歳ごろになると男女ともに身長や体重、体格なども安定し、身体機能もピークを迎えます。成長発育とともに、ホルモンバランスを整えるのは「腎」の役目。子宝に恵まれるためにも男女ともに腎を補うことが重要です。

年代別ケア「中年期」

中年期は精神的・心理的にも落ち着いてくる半面、からだの機能が衰えてくる頃。家族や仕事の責任も増し、心労が多くなったり、不眠に悩まされることも。「心(精神)」を養い、心を穏やかに過ごすことを心がけて。

年代別ケア「高齢期(60歳以上)」

全体的に臓腑の働きが低下し、病気に対する抵抗力も弱まってくる時期。症状が複雑になったり、合併症も多くなります。目や耳が悪くなる、骨がもろくなる、泌尿器のトラブルが出てくるなど、老化にかかわるのは「腎」です。腎機能を補うとともに、「脾」を整えましょう。薄味・消化の良いもの・温かいものを軟らかく調理して食べるとよいでしょう。


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