和漢のいろは Wakan no iroha
不眠のタイプと入眠パターン
不眠のタイプと入眠パターン
こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。先日、ある企業の主催で冬の薬膳セミナーをさせていただきました。「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」など、睡眠の悩みが多かったのがとても印象的でした。ということで、今回は不眠のあれこれについてです。
不眠は精神活動を担う「心」と関わる
不眠は現代人に多い悩みの一つです。とくに中年期(40歳~65歳)に入ると、自分の仕事や身体のことだけではないですよね。子どもの進路や親の介護などのサポートも加わり、心配事は尽きません。つまり、中年期は、ストレスや心配事で眠れないことが多いのです。
不眠と「心」について
中医学では、不眠は「心」と深く関わりがあります。「心」は心臓の機能だけでなく、精神的な活動や大脳の働きを担っています。その「心」は、絶えず全身を温め動かす機能があります。それは「火」にたとえられ、火が熱くなりすぎたり、冷ます機能が低下したりします。火を燃やす栄養分が少なくても、心が機能できずに不眠になるといわれています。
大きく分けると、
1.カッカして眠れないタイプ
2.心配事があって眠れないタイプ
この2つにわけることができます。
不眠の原因は余分な熱があるor心配事がある
1の場合、火を冷ます機能が低下しているので、熱を冷ます食材がオススメです。セロリ、せり、三つ葉、トマト。菊花、ミント、クチナシの実。アワビ、緑茶などがそうです。2の場合、栄養や血液の不足で大脳(心)を養えない状態です。穀物類、イモ類、豆類、なつめ。牛肉、鶏肉、イワシ、マグロ。カツオ、タコ、牡蠣、黒ごまなど、気や血を補う食材が良いでしょう。
なお、どちらのタイプにもオススメなのが、蓮の実、ユリ根、竜眼肉。金針菜、牡蠣、シジミ、アサリ。ナツメ、小麦、鶏卵などの精神安定作用のあるものです。
不眠は入眠パターンもいろいろ
まずは上記1と2どちらのタイプかを知ることが重要です。入眠パターンの傾向もご紹介します。眠るまで時間がかかる「入眠困難型」は、ストレスと関係が深い場合が多いようです。熟睡できない、目が覚めやすい「中途覚醒型」は、胃腸が弱かったり、脂っこい食事やお酒の影響も考えられます。「早期覚醒型」は、高齢者だったり、老化に関連がある腎が弱っているのも原因の一つです。
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