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和漢のいろは Wakan no iroha

エゾシカは素晴らしい素材

皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。気温が高く、春を通り越して暑いくらいですね。今日はエゾシカについてのお話です。

北海道での挑戦

他のコラムを読んでいただいている方にはすでにお伝えしています。しかし、初めての方もいますので、経緯を記します。私は北海道で最高峰の国産膠(にかわ)である鹿膠(ロクキョウ)を作り出すために移住。もう7年もの年月を費やして頑張ってきました。

エゾシカ由来

漢方の本場中国では、鹿は滋養強壮効果が高く、その価値が広く認知されています。鹿由来の生薬、医薬品が数多く流通。中でも「ロクキョウ」は、その秘められたパワーが知られています。アキョウとともに価値が高い薬用膠として珍重されています。

遺伝子でつながる鹿

エゾシカは、ロクキョウをつくるのに適しています。エゾシカは、中国の「梅花鹿」と同じ遺伝子を持つ鹿です。中国では、薬用鹿は、梅花鹿、馬鹿(アカシカ)の二種類しか認めていません。
梅花鹿

北海道のエゾシカが最適な理由

薬効については梅花鹿(エゾシカ)が馬鹿(アカシカ)より優れているのは広く認知されています。値段も、例えばロクジョウ(袋角)の場合、梅花鹿は馬鹿のなんと4倍から5倍です。汚染のない恵みの大地、北海道で育ったエゾシカ。まさに最強の素材と言っても過言ではありません。

害獣としての現状

そんな貴重な素材であるエゾシカ。近年、害獣として北海道では駆除の対象となっているのが現状です。私が生薬素材を製造する工場を作った日高地方は、サラブレッドの地として有名です。ところが、サラブレッド用の牧草は増えすぎてしまったエゾシカに食い荒らされています。さらに、その鋭い角で馬が傷付けられてしまうことも。

エゾシカ被害拡大

大きな体を持つエゾシカは食欲旺盛です。畑の作物や植林の木の芽や樹皮を食い荒らします。そのため農林業の被害が39億円(平成28年度)と拡大。自動車や列車とエゾシカの衝突事故も増えている状況です。北海道森林管理局では囲いワナ設置などのエゾシカ森林被害対策を実施。頼みのハンターも数が減少し、捕獲目標に達していません。

未利用資源を利活用

そんな現状をなんとかしたい!命あるものをきちんと活かしたい。そんな強い思いで、私はこのプロジェクトを立ち上げました。貴重な和漢素材を作ることが社会貢献にもつながると確信しています。


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