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和漢のいろは Wakan no iroha

便秘の原因は腸だけにあらず

皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。今日はお悩みの方も多い便秘について解説します。

梨はお通じに良い果物

秋の味覚である梨、皆さんは召し上がられましたか。梨はお通じをよくする働きのあるソルビトールという成分を豊富に含んでいます。以前テレビ番組で取り上げられていました。ソルビトールには便を軟らかくしたり、水分を吸収して蠕動運動を促したりする働きがあります。西洋医学的にみると梨は腸に働きかけて便秘を改善させると言えます。でも、東洋医学からみると、梨や便秘の関連性は大腸だけではありません。

腸と関係のある器官

それは肺です。肺と大腸は繋がっておらず、機能も違うので、何も関係がないように思えます。喫煙で大腸がんリスクが高まる可能性があるとの研究結果もあり、首をひねってしまいます。ところが、東洋医学では肺と大腸は表裏の関係。肺を良くすると大腸も良くなると説いています。その逆もまた然りです。東洋医学では遥か昔からそのことが分かっていました。

梨で肺をよくして便秘解消?

梨は津液(体内のあらゆる水分)を生みます。肺を潤してきれいにし、咳を止める働きに優れています。中国では、当たり前のように肺にトラブルがあれば梨を食べます。そして梨からできた伝統薬を飲んだりもします。肺を良くするので、梨は便秘解消に良い果物であるといえます。

アキョウ、ロクキョウと便秘

梨は体を冷やす性質があります。便秘に効くからといって食べ過ぎると、胃腸に負担をかけてしまいます。体を冷やし過ぎないように、生姜やアキョウを摂ると良いとよくいわれます。ですが、秋に生姜はお薦めしません。季節に関係なく、アキョウとロクキョウは血の巡りを良くします。そして肺の機能を高め、体を潤す働きがあります。

アキョウは腸を整える

漢方書の「本草綱目」には、“アキョウは肺を清める。大腸を整える。大腸の要薬”という記述があります。さらに、高齢者や虚弱体質の方の便秘の治療にも用いられています。すなわち、アキョウは肺を良くして、大腸も整える効能があるのです。アキョウは腸を整えるので、便秘だけでなく下痢にも役立ちます。ロクキョウも然りです。真逆の症状でも個人の体の状態に合わせてバランスを取るように働くのが、和漢素材の良いところでもあります。

食欲の秋、食べ過ぎて便秘や下痢になってしまうこともあると思います。梨は消化不良や二日酔いを予防する働きもあります。困ったらアキョウやロクキョウを一緒に摂ってみてください。


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