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和漢のいろは Wakan no iroha

この秋は早めに肺のケアを始めよう

こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。
今年は長引く猛暑のせいで、体調不良になっている方が多く見られます。ペットも人間と同じような夏バテ症状が出ているようです。我が家の8歳になるマルチーズ(♂)は、とうとう玄関の床にぺったりとお腹をつけて休む始末。ひんやりと冷たくて気持ちがいいのでしょうけれど。

秋は肺に注意を

とはいえ、季節は秋です。中医学では、自然とカラダは関わりあっていて、秋は肺の機能が弱まりやすくなるといわれています。しかし今年は、いつも以上に肺をいたわることが重要です。その理由からご紹介しましょう。

肺は邪気を受けやすく繊細な臓器

中医学では、全身に血液を送る「心」が君主であれば、「肺」はその君主の頭上にかざす衣笠、つまり華蓋の役割があり、君主をサポートする宰相にたとえられます。なお肺は臓器の中でも一番高い位置にあり、外界とは気道や皮膚を通じて直接繋がっているので、真っ先に邪気を受けやすい臓器ともいえます。

肺は嬌臓

暑さや寒さ、乾燥、湿気にも弱く、もっともデリケートな臓器なので、「肺は嬌臓」とも呼ばれます。
嬌は弱々しいという意味ですが、肺に病があるとほかの臓器にも移りやすく、喘息から肺炎になって命の危険を及ぼすこともあります。肺は、邪気が体内へ入ってくるのを防ぐ屏風のような働きを持っているので、肺の機能を強化することで、ウイルスや細菌などの邪気から守ります。さらに風邪を引きにくくさせることもできます。

旬のフルーツで肺を潤そう

今年の夏は湿度も高く、暑さもひどい。でも室内にいったん入ると冷房や扇風機にさらされ、ひ弱な肺にとってはかなり過酷な状況が続いていました。なので、だるさだけではなく、夏風邪を引いたり、のどの違和感や咳、声がれ、肌や口の乾燥などの症状が出る人も多かったのではと思います。そんな時は梨や柿などの秋のフルーツがおすすめです。

肺の養生には

肺には豆腐、牛乳、松の実、くるみ、はちみつ、白キクラゲ、バナナなどが良いです。秋が旬の梨や柿にも、気管支を潤したり、咳止めの効果があります。風邪対策には、生姜、シソ、ネギ、シナモンなどを食事に加えてみましょう。不調を引きずらないためにも、まずは薬膳と規則正しい生活などの養生を!


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