和漢のいろは Wakan no iroha
580年前の人気整髪料とは?
皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。
この時期は風の強い日が多く、髪が乱れやすくなりがちですね。皆さんはどんな整髪料を使っていますか。古代中国では、強風の対処法として編み出された髪結いの知恵がありました。
理髪業に従事する人、髪結い
1803年~1805年に出版された小野蘭山の著書『本草綱目啓蒙』。こちらに面白い髪結いの記載があります。1596年に中国で出版された薬学書「本草綱目」。この書物に収録されている天然物の考察を日本向けに編纂されたものです。そして、日本最大の薬物学書でもあります。現在でも国立国会図書館に所蔵されています。
整髪料、薬用から整髪料へ
記載されている内容について。“元来、アキョウは薬用のため作られた。だが、明の宣宗宣徳が皇帝であった時、都に風砂が激しく吹き荒れた。宮中の女官は髪を整えるために油蝋を用いることができなかったため、アキョウを用いることにした。”とあります。宮廷でアキョウが整髪料として用いられていたことがわかります。
整髪料にアキョウ?
“たくさんの女官達は、髪をまとめるためにアキョウを用いた。清水にアキョウを溶かしたものを髪に付けると鏡のような光沢が得られる。夕方には自然に崩れてきて、落とす手間がかからなかったので、昼夜アキョウを製造させた。”このように、アキョウ整髪料は使用感に優れていたことが伺えます。
また、“製造されたアキョウは全て宮廷に供給された。一般の人は得難く、市場から本物のアキョウが無くなった。”とあり、宮廷内の人々に愛用されていたと言えます。
整髪料としては香りが課題
アキョウには、身体の内外を潤す「潤燥」作用があります。飲用することで、ハリ・ツヤ・コシのある髪に次第に変わっていきます。外側からアキョウを塗ることでもトリートメント効果が得られる可能性があります。当店スタッフがアキョウで試してみたところ、「塗ってみるとポマードのような光沢が出るけれども、臭いが難点」とのこと。試してみたい方は、お湯で溶いたアキョウと香りの良い市販の整髪料を混ぜて使用すると良いかもしれません。
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