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和漢のいろは Wakan no iroha

2024.11.27

秋は白いもので肺を潤す

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秋は白いもので肺を潤す

こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。外苑の街路樹に敷かれた、赤や黄やだいだい色のジュータン。その上をスニーカーでサクサク歩き、真っ白な犬と映画のワンシーンのようにじゃれ合う。目下の夢ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか笑。

色にまつわるあれこれ

夢といえば色つき。色つきといえば五色。五色といえば中医学では青・赤・黄・白・黒。ということで、今回は色にまつわるアレコレをご紹介しましょう。古代中国の思想に、万物を5つのエレメントに分ける「五行学説」というのがあります。色、季節、方角、感情、味、臓器など、さまざまなものを分類してわけています。これは、自然と人とは常に関わりあっていることに通じています。

秋の色は白

たとえば秋の五色は白。五臓では肺をさします。秋は肺の機能を補い、白いものを食べるとよいというのです。白きくらげ、レンコン、長いも、豆腐、牛乳、豆乳、白ごま、松の実。「秋に白いもの」ってとてもわかりやすいですよね。もちろん、白いものばかりがいいわけではないのですが。これらは肺の機能をサポートし、気管支をうるおしたり、カラダに必要な水分を補ってくれるのは確かです。お味噌汁に豆腐や白ごまを入れたり、鍋の具に白キクラゲや豆乳などを加えてもよいでしょう。

秋のフルーツ、白は?

なお、フルーツなら梨やいちじく、はちみつなども一応白の仲間としてみましょうか。フルーツは剥いてそのまま食べてももちろん美味しいです。消化吸収力を高め、胃腸に負担をかけないためにも、食べる30分前に常温に戻してから食べたり、コンポートなど加熱調理するとより薬効も高まります。

秋以外の季節は?

五色の話に戻りますが、「秋に白」はわかりました。ほかの季節とのリンクはどうなのでしょうか。冬は黒、春は青、梅雨は黄、夏は赤になります。それぞれの例をあげてみましょう。冬には黒豆、黒きくらげ、黒米、黒ごまなどの黒いものが腎を補います。春にはミント、菜の花、セロリ、セリなどの青いものが肝を養います。梅雨時には生姜、とうもろこし、大豆、かぼちゃなどの黄色いものが脾(消化機能の総称)をケアします。夏にはトマト、みょうが、スイカ、なつめなどが心の働きをサポートします。

顔色でみる

また、腎の機能が弱まると顔色は黒くなり、肝は青色、脾は黄色、心は赤色、肺は白色。それぞれの働きが低下すると出る顔色というのもあります。すべてが確立されているものではありません。これは臨床で使えるものもいまだにある、4千年以上の歴史を持つ中国伝統医学ならではです。ちなみに詩人の北原白秋さんのお名前はペンネームだそう。五行に感銘を受けたのかどうか、昭和初期に出会えていたら伺ってみたかったです。


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