和漢のいろは Wakan no iroha
秋ナスの上手な活用法
こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。
「秋ナスは嫁に食わすな」ということば。その美味しさからの嫁いびりと、カラダを冷やし子宝に恵まれないのでよくないという説がありますよね。では薬膳ではナスをどう考えるのでしょうか。ということで、今回はナスの魅力に迫ってみましょう。
ナスはカラダを冷やす?
血液をサラサラにして、炎症を鎮めるナス。ナス科の多年生植物の果実です。薬膳では古来から甘味で寒涼性の食材とされています。なのでナス=カラダを冷やすという図式は、東洋医学にならったことかもしれません。
血液への効能
効能としては「活血」といって、血液の循環をよくしてドロドロの血液をスムーズに流す作用があります。また「涼血」といい、カラダにこもった熱を冷まし、炎症を鎮めたり、出血を止める働きもあります。以前、健康ショップで「ナスの歯磨き粉」を発見したのですが(しかも真っ黒!)、ナスの活血涼血の効果が、歯周病や口内炎などの症状の緩和に役立つのでしょう。このようにナスは、昔から日本人にとって身近な食材であったのが伺えます。
むくみにもナス
むくみをとり、消化機能を整える作用を「消腫利尿」といいます。ナスはむくみをとり、余分な水分を尿で排出する働きがあります。水分代謝が悪く、尿の出が悪いときにもオススメです。古典には、黄疸や肝炎には米と一緒に炊いて食べるとよいという記述もあります。そういえば実家では、夏に焼きナスやナスの味噌汁がよく食卓に上がりました。胃腸の機能を回復させるので、食欲がないときにも使えます。いつもあっという間に食べきるので、食欲が低下していたのかどうかはわかりませんが。
相乗・減退効果になる組合せ
最後に、ナスの効能を上手に取り入れるポイントをいくつかご紹介します。薬膳では、同じような効能同士を合わせる「相使」という組合せがあります。ナスは血行促進によいので、同じような作用を持つ玉ネギ、ニラ、青梗菜、味噌などとあわせると、相乗効果で血流改善効果がアップします。ただしキュウリ、レタス、トマト、大根などの寒涼性の食材とあわせると、よりカラダを冷やす作用が高まります。加熱料理をしたり、ネギ、シソ、ショウガ、唐辛子、ニンニクなどの温熱性の食材とあわせて調理するとベターです。
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