和漢のいろは Wakan no iroha
薬効のある冬の草木たち
薬効のある冬の草木たち
こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。ある薬科大学へ仕事の打ち合わせに行った際、薬草園も案内していただきました(大概どこの薬科大にも薬草園があり、学習や研究に活用されるのです)。ほぼ枯れていましたが、冬の時期に咲く花や実をつける植物もあるなと思い、今回のテーマにしました。
薬効のあるミカン(薬用部分:果皮)
日本では温州ミカンが代表的。果実が熟する秋から冬に収穫し、乾燥させた外果皮を陳皮という。健胃作用があり、痰や咳に用いられ、余分な湿気を取ってくれる。未成熟な果皮は青皮といい、陳皮より気を巡らす作用が高くなる。
薬効のあるビワ(薬用部分:葉)
生薬になっているのは、葉裏の表面の柔毛を取り除いて乾燥させた葉。苦味でカラダの余分な熱を冷まし、咳や痰を鎮め、嘔吐や口の渇きにも用いられる。日本では、江戸時代から夏バテによい「枇杷葉湯」という飲み物が民間で親しまれていた。
薬効のあるネズミモチ(薬用部分:果実)
低地や山林に自生する低木。秋から冬にかけて黒く完熟した果実が生薬になる。その色や形がネズミの糞に似ていることより、ネズミモチと呼ばれる。生薬名は女貞子といい、肝や腎の機能を高め、早期白髪、足腰のだるさ、めまい、目のかすみなどに用いられる。
アロエ(薬用部分:液汁)は用途さまざま
食用になっているのはアロエベラ。民間でやけどや虫刺されに用いられるのはキダチアロエ。薬用になっているのはアロエ・フェロックス(別名ケープアロエ)とそれぞれ種類が異なる。生薬名はロカイといい、葉から出る液汁を乾燥させたもの。習慣性便秘に良いが、熱を冷ます作用が強いので、冷え性や妊婦には不向き。
ローズマリー(薬用部分:葉枝)も使えます
ヨーロッパや中国で古くから薬用として用いられている。「若返りのハーブ」や「記憶力のハーブ」ともいわれる。用途も飲用、肉や魚料理の香りづけ。アロマテラピー、入浴剤など幅広く活用できる。生薬名は迷迭香で、血流をよくして痛みや冷えの緩和にオススメ。
身近なところに冬の生薬がありましたね。今年もノンワックスのミカンを買い、皮をカラカラになるまで乾かして自家製陳皮を作る予定です。
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