和漢のいろは Wakan no iroha
鹿血の未知なる力
鹿血の未知なる力
皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。先日、姉から「鹿血晶」という生薬を入手できるかと連絡がありました。使用目的を聞くと、義姉が癌を患ったとのこと。抗がん剤治療を行っていて、医師から市販薬の「鹿血晶」の併用を薦められたようです。今日は鹿血についてのお話です。
鹿血の優れた薬効
「鹿血晶」は、鹿血を乾燥したものです。中薬大辞典(小学館出版)によると、鹿血は虚を補うとされます。動悸、不眠症に薬効があります。唐本草の書には、腰痛を止める、骨折を早く治すなどの作用があると書かれています。本草綱目には「虚損を大きく補い、精血を益す、薬毒を解く」と記されています。虚損とは、慢性疲労に陥り自力では回復できない状態です。
鹿血で寛解
薬毒とは残留薬剤が体内に沈殿し、年月を経るに従い毒化する状態です。そして各器官の周辺背面部、首や肩に固結していきます。固結は諸器官の活動と血流を阻害し、病気を発生させることを指します。薬の多用が新たな病気の要因となるわけです。しかし、鹿血はこれを寛解します。
がん治療にも役立つ鹿血
がん治療の副作用として、骨髄の働きが抑制されます。血液細胞を構成する白血球、赤血球、血小板が減少。感染症や貧血、出血といった症状が現れます。製薬会社の情報によると、鹿血晶はそれらの症状に顕著な効果があります。免疫で中心的な役割を果たしているT細胞とB細胞。そしてナチュラルキラー細胞の活性化に対し薬用人参よりも強く、がん患者の免疫力向上に役立ちます。
鹿血についての論文
公開発表の論文では、消化器がん32症例、浸潤性乳管がん60症例。末期がん34症例、末期乳腺がん40症例、非小細胞肺がん40症例。以上において、白血球、赤血球、血小板減少などの骨髄抑制症状は同症例数の対照組より効果が顕著です。
もっとエゾシカを活用するために
上海中医薬大学がDNA技術で鹿の血を鑑定し、鹿の血は品種により異なることが分かりました。大昔からエゾシカと同品種で薬効の高い「梅花鹿」が重宝されます。しかし現実は、がん患者を救えるかもしれないエゾシカが殆ど廃棄されています。弊社のグループ会社、北海道鹿美健がエゾシカを取り巻く現状を伝え、利活用に取り組んでいます。ぜひご注目いただけますと幸いです。
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