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和漢のいろは Wakan no iroha

その腰痛はなにが原因?

こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。寒い時期、腰の痛みが気になりませんか。今日は腰痛のお話です。

腰は動きの要

寒くなると外に出るのが億劫になりますね。ほかにも持病が悪化するなど、日常生活においても不便なことが出てくるようです。わたしは先日はじめて腰痛の辛さというのを味わいました。友人でもある鍼灸師、ゴッドハンドの手にかかり、現在はほぼ完治しております。重い荷物をかかえて仕事に向かう毎日。腰や背中に負担がかかっているのが原因だと思います。なにをするにもカラダが思うように動かない歯がゆさ。立つにも座るにも腰が要になっているというのを、改めて思い知ったわけです。

腰痛の原因となるもの

さてそんなこんなで腰痛が今回のテーマです。腰痛に限らず、痛みは大きく「急性」と「慢性」に分けて考えることができます。わたしのような急性の場合、疲労・睡眠不足・ストレス・老化などがベースにあります。これになんらかの外因、たとえば筋肉の緊張やねじれが加わります。その結果、気血の流れが悪くなって腰に痛みが走ります。

急性腰痛によい漢方

このような場合、疎経活血湯という漢方薬が代表的です。「活血」という言葉がはいるように、血流をよくする処方です。ぎっくり腰など重い物を持ち上げたり、急にカラダを動かしたときに起こる急な痛みにも対応できます。

腰痛でも湿気と冷えによるものは?

つぎに慢性的に起こるタイプ。ひとつめは「湿気と冷えによる腰痛」です。もともと胃腸が弱かったり、暴飲暴食などで消化吸収力が落ちている人。水分代謝に影響が出て腰痛になるケースです。冷えると痛みが悪化する。梅雨時や台風、低気圧が近づくと腰痛がひどくなる。朝起きた時が一番痛い、などもあげられます。このようなタイプには苓姜朮甘湯、桂枝加苓朮附湯、真武湯などで対応します。

腎機能低下による腰痛

ふたつめは「腎機能の低下による腰痛」。腰は「腎の府」と呼ばれ、腎と深く関わりがあります。年を重ねるにつれて腰痛が悪化したり、疲れると痛みが増すような場合。それは腎の不調によるものかもしれません。鈍痛であまり強くない場合が多いです。そして疲れたときに症状が悪化しやすいのが特徴です。漢方薬では、八味丸や六味丸などがあります。下半身を強化し、腎機能をサポートする処方です。

腰痛とストレスの関係

最後は「ストレス&ドロドロ血による腰痛」。精神的なストレスが原因で自律神経のバランスが崩れます。そして血流が阻害されてドロドロ血に。その結果、腰痛を起こします。ストレスなどによって症状が悪化する。刺すような痛み。そして夜間に痛みが増強する、などがこのタイプの特徴です。代表的な漢方薬としては、加味逍遙散や血府逐オ湯など。気血のめぐりをよくするので、生理痛や肩こりなどにも使用できるお薬です。


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