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和漢のいろは Wakan no iroha

「おせち」も「お屠蘇」も薬膳?!

新年あけましておめでとうございます♪ 漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年の抱負

突然ですが、みなさんの今年の抱負はなんですか?わたしは、抱負というより願望に近いのですが…今年は久しぶりに海外へ遊びに行きたいです。近場の香港、台湾、中国もいいし、いっそヨーロッパまで足をのばし、ゆっくり美術館めぐりなんかもいいですね。実現できるよう、周囲に早めに宣言しようかと目下計画中です!

おせちと薬膳

さてさて、お正月みなさんはおせち料理を口にしたと思います。おせちはもともと中国が発祥だというのをご存知でしょうか。おせちの語源は「お節供」。節目の節句で神様を迎え、お祝いする料理です。1月1日のお正月、3月3日の上巳、5月5日の端午。それから7月7日の七夕、9月9日の重陽をあわせ、五節句といったりします。

おせちが正解

その中でも年初めであるお正月はもっとも重要な日とされています。ですので、おせち料理に入っているものは縁起のいいものばかり。長寿や五穀豊穣の願いが込められています。実は冬に摂ってほしいものばかりが入っているので、薬膳的にみても大正解なのです。

おせちでエイジングケア

冬は五臓の中では腎の働きが弱まる時期。黒豆、栗(きんとん)、海老(の旨煮)、田作りのカタクチイワシなどは腎の働きをサポートし、温めてくれる食材です。中医学で腎というのは腎臓の働きだけではありません。成長や発育、老化にかかわるホルモン系にも働きかけるのです。足腰を強化したり、アンチエイジングにも役立ちます。

お屠蘇と薬膳

では次に、お正月に飲む特別なお酒。そう、お屠蘇。お屠蘇も中国から伝わったものです。これも邪気を払い、長寿を祝うものとされています。薬草を日本酒やみりんに一晩つけて飲みます。中身を見てみると、風邪対策や胃腸の機能を整えるような漢方になっています。

お屠蘇の中身は

一般的に配合されているものは、山椒、桂皮(シナモン)、丁子(クローブ)、八角、陳皮。そして防風、桔梗、白朮などです。桂皮、防風はぞくぞくっと寒気のするカゼの邪気を追い出すのにいい生薬です。山椒、丁子、八角は胃腸を温め、消化促進を促します。陳皮は余分な湿気をとり、膨満感によいです。白朮は元気を補い、水分代謝をよくします。桔梗は肺の機能を整え、咳や痰を鎮める作用があります。

おせちもお屠蘇も

昔お医者さんが薬代のお礼として振る舞っていた名残で、今でも年末になると薬店などで屠蘇散を配布しているところもあります。漢方薬局に行けば薬草を購入することもできます。手作り屠蘇散にチャレンジしてみてもいいかもしれませんね。目安としては、日本酒やみりん1合に対して2~4g位です。お茶パックにいれておくと便利です。なお、残った薬草はお風呂の沐浴剤にしても。ミルなどで細かくパウダー状にすれば、本格的な漢方スパイスになります。おせち料理を堪能した後、中華料理やカレーの隠し味にオススメですよ。


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