和漢のいろは Wakan no iroha
眠いのに眠れない!
眠いのに眠れない!
皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。以前、日本中を震撼させた事件がありました。新潟県長岡市職員の女性が、生後3ヵ月の長女を自宅で殺害。逮捕されたのです。犯行のきっかけは「授乳で眠れない」。ネット上では批判と同時に、「睡眠不足、本当に理性を失いかけます」と同情の声も多数ありました。
眠れないと危険
睡眠不足が美容に影響することは広く知られています。でも、それだけではありません。血管の疾患を増やしたり、癌の発症につながったり。そのほか、記憶力の減退や認知症の早期発症、うつに陥ったり。危険性は明らかです。
東洋医学から見る不眠の原因
仕事や生活習慣で寝る時間を確保できない人がいる一方、眠いのにストレスで眠れない人もいます。時間の余裕がありのんびり寝たいのに歳のせいか熟睡できない人も。ヨミドクター(読売新聞)の記事によれば、男性は30代、女性は閉経をきっかけに、不眠症になりやすいとか。
七つの分類
東洋医学では、眠れない病因を大きく七つに分類しています。根本的には気・血の不足・乱れ。そして心・肝・腎の臓器の失調に原因があること。実は私も、不眠に苦しんでいました。そこで、「眠れない」「熟睡できない」「朝起きられない」の3点に絞り、研究を始めました。
「眠れない」要因
原因は、肝・心・腎の失調です。特にイライラを感じる方は、肝の不調が深刻です。西洋医学では交感神経優位による眠れない症状に相当します。「熟睡できない」原因は、ずばり、気・血の不足・乱れ。そして心・腎の失調にあります。西洋医学ではホルモンバランスの乱れで熟睡できない症状が、これに含まれます。「朝起きられない」原因は、前述の2点と因果関係があります。
和漢で質の良い眠りを
そこで私が考えたのは、眠りを邪魔する悪い「熱・煩」を取り除く(=清)。そして足りない良い「気・血」を補う(=養)。さらに身体の衰えをストップさせる「清養」原則を用いることです。対処方針が決まったら、個別生薬を選んで「君臣佐使※」などの漢方配合のルールで処方組みをします。良さそうな素材を適当に添加する一般の健康食品と違って、薬学博士だからこそできる仕事と自負しています。次回でさらに詳しく解説します。
※君臣佐使…中心となる生薬。そして作用を補助し、十分に薬効を発揮できる生薬。この法則で構成すること。
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