menu close

和漢のいろは Wakan no iroha

五臓に合わせた不調の色とは?

こんにちは、漢方薬膳アドバイザーの杏仁美友です。
今回、色にまつわる話をしたいなあと思っていました。すると2015年に、陰陽五行説とともに、五色の話をしていたらしい。「人は忘れる生き物」(つまり言い訳)というし、何度話しても面白い(と私は思っている)。そういうわけで、違う切り口でご紹介します。

陰陽と五行の融合

そもそも陰陽五行説。万物を2元にわけた「陰陽論」と、木火土金水の5つのエレメントにわけた「五行論」を合わせたもの。紀元前に発生した学説なので、すべてが現代社会にピッタリ当てはまることではないのです。でも、今でも鍼灸の治療や薬膳の養生法などに用いられることは確かです。

木:不調の顔色は青

木はすくすく伸びる樹木のイメージ。春、肝、胆、目、筋、爪、怒、青、酸などが属している。春は肝の働きが衰え、胆、目、筋、爪などに影響が出る。怒りすぎや肝が弱まると顔色が青くなる。春は酸味はほどほどに摂るとよい、という解釈。顔色が青くなるのは、肝が弱っている証拠。

火:顔色は赤

火は炎上や火が燃えるイメージ。夏、心、小腸、舌、脈、顔色、喜、赤、苦などが属している。夏は心の働きが衰え、小腸、舌、脈、顔色などに影響が出る。喜びすぎや心が弱まると顔色が赤くなる。苦味はほどほどに摂るとよい。

土:不調の顔色は黄

土は大地や収穫の要素をもつ。長夏※1、脾※2、胃、口、筋肉、唇、思、黄、甘などが属している。長夏は脾の働きが衰え、脾、胃、口、筋肉、唇などに影響が出る。思いすぎや脾が弱まると顔色が黄色くなる。甘味はほどほどに摂るとよい。

金:顔色は白

金は清らかで堅固な金属。秋、肺、大腸、鼻、皮膚、体毛、悲・憂、白、辛などが属している。秋は肺の働きが衰え、肺、大腸、鼻、皮膚、体毛などに影響が出る。悲しみや憂いすぎで肺が弱まると顔色が白くなる。辛味はほどほどに摂るとよい。

水:不調の顔色は黒

水は滋養、下降、寒冷を意味する。冬、腎、膀胱、耳、骨、髪、恐・驚、黒、鹹※3などが属している。冬は腎の働きが衰え、膀胱、耳、骨、髪などに影響が出る。恐れたり驚きすぎや腎が弱まると顔色が黒くなる。鹹味はほどほどに摂るとよい。

※1 中国の黄河流域では、夏と秋の間に湿った長雨が降る時期がある。日本では梅雨に近い
※2 消化吸収機能の総称。膵臓、脾臓、胃、小腸なども入る
※3 ワカメや昆布に含まれる、自然の塩味を指す


こちらもよく見られています

食べるだけが薬膳じゃない 君臣佐使のルールとは? 食べ物の色選びで白髪改善!今すぐできる体質別チェック