和漢のいろは Wakan no iroha
若さをつくる源とは。【1】
皆様、こんにちは。Dr.Tei Kenです。
先日、お客様よりご質問をいただきました。
“私は30代前半ですが白髪が多く以前から悩んでいました。そして健康診断でひどい貧血と診断されました。そこで、血の不足が白髪の原因なのか知りたいです。”
今回から3回に渡り「血」について紐解いていきます。
若さの根本は「血」にあり
特に女性は、初潮・妊娠・出産・閉経と「血」の環境が一生で大きく変化します。「血」と「見た目」はとても関係が深いです。そう、見た目の若さが違ってくるのです。これは大手化粧品メーカーなどの研究でも明らかになっています。
重要な「血」の役割
西洋医学の「血液」と漢方医学の「血」の解釈は異なる部分があります。ですがどちらも栄養や酸素を全身の細胞に届け、老廃物を運び出す重要な役割を担います。そして人間が生きるのに欠かせない存在だという認識は共通しています。特に漢方では「女子は血を以て本となし、血を以て用となす」という定説があります。女性とは深い結び付きがあると考えられているのです。
女性の一生と「血」の密接な関係
漢方では、女性の体は「7」の倍数で変化すると考えます。もちろん個人差はありますが、14歳で初潮を迎え、21歳で成熟期に入ります。そして28歳でピークに達し、35歳から老化がはじまります。髪が抜けやすくなり、42歳で老化が加速。白髪が増え、49歳で閉経を迎えます。月経、妊娠、出産、哺乳(母乳は血液から作られる)、閉経。こうしてみると女性の一生はすべて血と密接に関わっているのです。
血の働きの不可欠性
医療の発達により人工心臓は開発されています。でも人工血は実用化に至らず輸血に頼っています。各臓腑や器官は血によって動かされ、生命活動が維持されます。血がなければ人は生きられないのです。不足すると、手足の痺れや筋肉のこわばり、冷えが現れます。しっかり歩いたり物をつかむことができなくなります。さらに、目のかすみや爪の割れ、肌の乾燥を招きます。
精神作用にも密接な関係が
また「血」は精神活動の基本物質です。不足は不眠や夢をよく見る浅い眠りを招きます。そして情緒不安定や強い不安感などの症状を引き起こします。
冒頭のお客様の場合は西洋医学では「貧血」ですが、東洋医学では「血虚(けっきょ)」です。血虚は白髪の主な原因の一つとなります。【2】に続く
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