和漢のいろは Wakan no iroha
食べ物の色選びで白髪改善!今すぐできる体質別チェック
長寿となった昨今、若々しくいたいと願う人にとっては気になる白髪。白髪改善「なんとかしたい」ですよね。
「具体的にどう対策したらいいのかわからない」。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、白髪と食生活について解説します。記事の後半では、体質チェックと体質に合った対処法も解説しています。
白髪改善できる食生活に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
白髪改善してくれる野菜
野菜は体にいい、必要だ、というイメージはありますが、まずは色に注目。食べ物の“色”には美髪になるヒントが隠されているのです。
スーパーへ買い物に出かけると、手軽なお惣菜につい手が伸びてしまいます。20代までなら許された「食べたいものを食べる生活」。30歳を超えると、揚げ物による胃もたれやだるさなど不調を多く感じますよね。野菜を取り入れることは、大人女性の美を保つ鉄則ではないでしょうか。
年齢を重ねると体内の機能もだんだん下り坂になります。そうすると、肌のシミやしわ、白髪など外見にも影響が出てしまうのです。
緑黄色野菜は白髪改善にいい食べ物
ほうれん草や小松菜、人参やカボチャなどをはじめとする「緑黄色野菜」。老化や生活習慣病の原因になる活性酸素を防ぐ働きがある“カロテン”という栄養素を多く含んでいます。活性酸素を防ぐことは体内のサビつき(老化)を食い止めることにも繋がります。アンチエイジング食材です。一般的に「色が濃い野菜を食べるといい」と言われますね。このことが関係しているからかもしれません。また、色の違いだけで緑黄色野菜か淡色野菜に分類されると思いがちです。実際は可食部100g当たり、カロテンが600μg以上のものが緑黄色野菜に分類されます。つまり食べ物の色の濃さは栄養の高さを表す一つの目安になるということですね。
ちなみに、ナスやキュウリなど見た目は濃い色の野菜については、切ったら白いものは淡色野菜になります。
白髪改善には黒い食べ物プラス血液になる赤い食べ物
東洋医学の考えでは、食物の色をバランスよくとることが若々しさを保つ健康の決め手になります。先ほどは色の濃い野菜は栄養素が高いと説明しました。でも決してそれだけではありません。食物の色にはパワーが込められていると伝えられているからです。人間の体を巡る「気」の波動を上手に整える役目もあります。
食事をするときに、五臓六腑(東洋医学における人間の内臓を言い表す時に用いる言葉)に対応する五色をバランスよくとりこんでいくこと。これが健康になるためにとても大切なことなのです。特に髪をよくしていくためには髪になる黒い食品、血液になる赤い食品を取り入れることです。
【五臓六腑と食べ物の色の対関係】
肝臓 → 青(緑)
心臓・小腸 → 赤
脾臓・胃 → 黄
肺・大腸 → 白
腎臓・生殖器 → 黒
経絡と色の関係
【黒色】白髪を防ぎ、活動力を増す
生命エネルギーを司り、アンチエイジングにも関係が深い「腎」を強くすることは、髪を黒くすることにつながります。そして、腎に対応する食べ物の色は「黒」です。
黒豆:髪の毛を黒くする
黒ゴマ:白髪の予防
昆布:コシのある健康な髪質をつくる
キクラゲ:血行を改善
【赤色】血を増やし、血をきれいにする
赤色は心臓に対応することから、同じように血液にも働きかけます。栄養を体の末端の毛先にも届けるには、血液の力が必要不可欠なので、赤い食べ物を摂って血液力を上げましょう。また、心(心臓)は精神活動と深く関係しています。白髪が増え始める40代は女性ホルモンの関係で心のエネルギーが低下する時期なので、赤い食べ物を摂って、心の機能を高めると気力や活力の向上にもつながります。
ただし、お肉も赤色をしていますが、血液が濃くなってしまうと、血液の流れを妨げたり頭部まで栄養を届けにくくなったりするので、白髪ケアに関して動物性のものは積極的に摂る必要はない点だけご注意ください。
クコ:抗酸化作用
なつめ:心身のエネルギーを補う
クランベリー:血液をサラサラに
サフラン:血流の改善
体型が気になる人は…
ごぼう、人参、レンコンなど色が濃くて細長い形をした食べ物を食べると体が引き締まってくるという理論もあります。
食べ物の色にはそれぞれ意味があり、白髪の予防改善や薄毛対策など髪を重視するには、黒と赤の食べ物が適しています。色には栄養の多さの目安になるだけではなく、エネルギーも宿っている、そう考えると、ますます髪にも良さそうな気がしますね。続けることが難しく思う方も、白米に黒米をスプーン一杯入れて炊飯すれば手軽に黒食べ物を摂ることができます。スーパーでのお買い物の際は、この話を思い出してみてください。
ズバリ、白髪によい食べ物とは?
年をとれば仕方ないと思いつつも、できることなら白髪の進行を食い止めたいと願う人は多いと思います。口から食べたものは、栄養となって髪に届けられるので、普段の食生活を意識することは、白髪ケアの基礎になります。
一体、何が髪に良いのか、あの噂は本当なのか…
ネットや口コミで話題の『白髪に良い食べ物』について、含有成分から検証してみました。
1.豆乳は白髪改善にいい
ホント○
豆乳に豊富に含まれている「大豆イソフラボン」という成分には、髪の毛の色素のもとになるメラニン色素を増やす働きがあるので、白髪の予防・改善に効果があると考えられます。
大豆食品に含まれる成分なので、味噌、豆腐、納豆でも良いです。豆乳が苦手という方は、これらの食べ物を食事に取り入れても同じような効果が得られるでしょう。
一日当たりの推奨量は200mlを1~3本程度です。
2.黒ゴマは白髪改善にいい
ホント○
黒ゴマは、セサミンという体の中を活発化させる成分をはじめ、良質な脂質・必須アミノ酸を豊富に含むタンパク質やミネラル・食物繊維、そして、ビタミンEなどの各種ビタミン、カルシウムや鉄分を多く含んでいます。特に黒髪をつくるのに欠かせないメラニン色素のもととなるチロシンが含まれているので、白髪の予防・改善に有用です。
一日当たりの推奨量は大さじ1~2杯(10~20g)程度です。
3.牡蠣は白髪改善にいい
ホント△
牡蠣が白髪に良いと言われる理由は、亜鉛という成分を豊富に含有しているからでしょう。
亜鉛を多く含む食品は他に、レバー・チーズ・うなぎ・ホタテ・ナッツ類などです。
食事で摂ったたんぱく質を髪の毛に変える働きがある亜鉛。やせ細った髪を太く健康な髪へとサポートする力に優れています。亜鉛単体が髪の毛の色素を作りだす細胞に直接働きかけるのではなく、体内の亜鉛と銅のバランスがとれることで、色素を作り出す機能が効率よく働くようになります。牡蠣だけでなく、銅を含む食べ物(豆類・甲殻類)やその他の栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
牡蠣3~5個を食べると亜鉛の1日分の摂取量を充分満たします。
4.しじみは白髪改善にいい
ウソ×
しじみには解毒作用があるため、体内でのアルコール分解を補助する役割があり、肝機能の向上に良いと知られている食べ物です。タンパク質やミネラルを含有していますが、他の貝類(あさり)などと比較しても、ズバ抜けた栄養を含んではいなく、髪の毛への効果は関係性がなさそうです。白髪への効果も不明です。広い意味での美髪づくりという点ではありかもしれません。
白髪改善によい食べ物まとめ
豆乳と黒ゴマは、白髪改善に良いという結果になりました。牡蠣は、銅を含む食べ物(豆類・甲殻類)と一緒に食べることで、髪の健康をサポートする働きが発揮します。
ですが、白髪に良いからと言ってこれらを過剰に摂取するのではなく、量に偏りなく、バランスよく食事に取り入れることが大切ですね。普段の食生活を今までよりも少し気を付けて、さらにツヤツヤの黒髪を目指すために、漢方という方法もあります。
実は現代において20代の若年性白髪が増えています。白髪は歳をとったら出てくるもの…と気を抜いていると、ある日不意をつかれます(笑) このストレス社会において、年齢に関係なく、白髪とストレスはどんどん増えていってしまうのでしょうか。そうならないためにも今一度白髪になる原因を考えていきましょう。
メラニン不足で白髪
黒色素=黒髪
現代の医学では、白髪の原因が「メラニン色素の不足」であるとはっきり証明されています。メラニン色素は東洋医学(漢方)では「黒色素」と言って、髪の色素になる細胞のことをいいます。これが欠乏すると白髪になるのです。
しかし、色素を補給するだけでは黒髪にはなれません。
髪の栄養は、血液
髪の毛を科学的に研究した結果、髪の成長は、頭皮の毛細血管から「毛母」という髪の根元へ、絶え間なく血液が送られることで成り立つと明らかになりました。
この血液の流れが何らかの理由で止まったり、弱まったりすることで白髪は発生します。栄養が髪まで行き届かなくなるからです。
血液はメラニン色素を含め、髪に必要な栄養分を運ぶ働きをしますが、血流が悪くなって正常に運べなくなると、髪は元気を失って白髪になるのです。
髪も植物も一緒
髪は植物ともよく似ています。
健康な草木は地中からたくさんの栄養素を吸い上げています。その結果、生き生きとしてしなやかな弾力を持つ葉や枝が育ちます。反対に、その力がなくなった枯れ木はカラカラに乾燥して固くなってしまいます。
髪も黒くつややかな毛は、太さとコシがあります。白髪は触ってみると、ピンと立って乾燥し、固くなっています。これは生きてはいるものの、枯れ果てる寸前の状態です。
ですから白髪を黒くよみがえらせるには、髪の根っこ(毛乳頭)に充分な血液を送り、たっぷりと栄養を与えることが必要なのです。もちろん、汚れたドロドロの血液では、白髪が黒くなるどころか抜け毛の原因になってしまいます。
白髪の原因はこれだ!
漢方的な解釈で言うと、白髪の原因は、黒色素の不足と血液の健康悪化による、栄養供給不足。そして、白髪の改善には血液の量と質を高めるのが良い、ということがわかりました。
白髪が減った声続出!?漢方を取り入れた白髪改善法とは
漢方の考えでは、女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢に体の変化が訪れると言われています。白髪に関して言えば、女性は42歳、男性は48歳に差し掛かるころに白髪が目立ち始めます。「髪は腎の華」「髪は血の余り」という話があるように、白髪や抜け毛など髪の悩みを漢方の力で解決することができるのです。
まずは、あなたの体質タイプをチェックしましょう。
漢方からみる、あなたの白髪の原因は?
血虚タイプ
特に女性に多く、血が不足している体質タイプです。
・顔色が悪い
・肌が荒れやすい
・髪が細く、パサパサしている
・動悸
・眠りが浅く夢をよく見る
・不安感を感じる
気血両虚タイプ
“気”は血を生み、“血”は気を生み出す働きがありますが、この両方が不足しています。
・息切れしやすい
・倦怠感や疲労感がある
・暑くもなく動かないのに汗が出てくる
・顔色が白く赤味がない
・肌のツヤがない
・痩せていて太りにくい
腎陽虚タイプ
生命活動を行うための機能が低下し、体全体を温める力が弱まっています。
・足腰が冷えてだるい
・手足が冷たい
・寒がりである
・尿が薄くて多い、あるいは少なくてむくむ
・軟便で下痢をしやすい
・下半身が太りやすい
腎陰虚タイプ
生命活動を行うための基礎となる物質が不足しています。
・足腰がだるい
・めまいがする
・耳鳴りがある
・手足がほてる
・のどが渇きやすい
・微熱が出る
白髪と関係が深い ≪腎≫と≪血≫
腎(じん)は、水分代謝や生殖機能、生命のエネルギーが蓄えられるところで、人間の老化と密接に関わっている器官でもあります。白髪などの老化現象を緩やかにするには、①腎のエネルギーをいかに無駄使いしないようにするか、②消耗してしまった腎のエネルギーを充分に補えるか、の二点がポイントとなります。
血は、「けつ」と読みます。すべての栄養は血によって体の隅々まで届けられるので、血が足りなくなると血行不良を起こし、頭皮や髪のトラブルに発展してしまいます。血が健康な状態で充分な量があると、髪の黒さやコシ・ツヤに違いが出てきます。
腎陽虚・腎陰虚タイプの人は、腎のエネルギーをもつ『補腎』の漢方を、血虚・気血両虚タイプの人は血を補う『補血』の漢方を摂ることがおすすめです。
補血のポイント
夜更かしは避けて、全身をほぐすストレッチなど少しの運動を心がけましょう。食事に関しては、できるだけ多種類のものを食べるようにしましょう。
補血作用のある漢方素材
鹿膠(ロクキョウ)、阿膠(アキョウ)、当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、何首烏(カシュウ)、地黄(ジオウ)
補腎のポイント
なんとなくだるい、眠れないなどのプチ不調をそのまま放置せず、早めに適切なケアをしましょう。黒ゴマや黒豆、ひじきなど黒い食べ物を食べると良いです。
補腎作用のある漢方素材
鹿膠(ロクキョウ)、阿膠(アキョウ)、鹿茸(ロクジョウ)、海馬(カイバ)、補骨子(ホコツシ)、冬虫夏草(トウチュウカソウ)
漢方素材のなかでも鹿膠(ロクキョウ)、阿膠(アキョウ)はめぐりを育むとして漢方の国・中国では2500年前から用いられています。ここ数年で日本でも入手可能となり、補血、補腎が気になる方にとっては、朗報と言えるのではないでしょうか。
人は歳をとると老化に逆らうことはできません。でも、こうした漢方の知恵をすこし生活に取り入れるだけで、体質を見直すことができ、老化のスピードを緩やかにできます。体質を見直すということは、ある一部分(今回は白髪)だけでなく、からだ全体のアンチエイジングにもつながります。
日々の食べ物選びに少しだけ知識を取り入れて、さらに対策したい方は、鹿膠(ロクキョウ)、阿膠(アキョウ)など補血、補腎作用のある漢方の素材にも注目をして、健康で美しさを保ちながら暮らしたいですね。
監修:Dr.Tei Ken
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